本研究では、職場学習論、経験学習論及び組織学習論をはじめとした経営学及び教育学を背景とする「学習」に関わる理論を用いて、臨床研究に関わる人材の学習のプロセスや職場の学習環境のあり方について検討した。文献調査、ヒアリング調査及びインタビュー調査の主な結果として、人的資源管理の重要性のほか、施設内の他職種とのインタラクションを通じて臨床研究における個人の役割を認識・形成していることや、職場内だけでなく職場外にもネットワークを構築することによって様々な学習機会を得ていること等が明らかとなった。さらに臨床研究コーディネーターの基礎的な育成については研修等の体系化がなされてきたものの、一方でその体系化がそれ以降の個人の学習に弊害をもたらす可能性が示唆され、今後有効な人材育成のあり方を確立していく上での重要な知見が得られた。
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