戦後開拓で拓かれた集落の現在の状況について調査を行った結果、下記のことが明らかとなった。第一に、岡山県下の戦後開拓集落の5分の2が営農を確立し現在も存続している。ただしそのすべてが農業地域として今あるというわけではなく、観光地化や宅地化が進んでいるところが見られた。第二に、戦後開拓を営農確立へと導いた地域の共同性について、現在、そこに暮らす人々の生業の変化や、後から入ってきた新住民の生活スタイルと調整を図る形で、さらには自身の家の後継者の考え方に合う形で、再構築されようという動きを見てとることができる。
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