プロダクティブ・エイジング研究に必要と考えられる研究環境を整備することを目的とし、プロダクティブ・エイジング研究関係英語と日本語の図書・論文のデータベース(ブックリスト・内容概略など)を作成した。対象期間は、1990年から現在までの21年間、収集件数は143件。収集したデータベースは、インターネット上で閲覧できるようにホームページを製作して公開している。プロダクティブ・エイジンク研究に関するデータベースは我が国では初めての取り組みだと思う。 データベースを整理し、日本におけるプロダクティブ・エイジングの定義を追求した。本概念を社会参加・ボランティア、経済と就労、介護と家事、余暇、社会支援、健康とメンタルヘルス、高齢期のイメージ・アイデンテティという7つのテーマに分けることができたが、プロダクティブ・エイジングの役割と影響はそれぞれのテーマで異なることがわかった。 今後は、このデータベースを通してプロダクティブ・エイジングの概念がどのように年次的変化を経たか調査をしていく。現在は、日本の社会参加・ボランティアについてデータベースを整理し、2011年8月における中国・北京大学とアメリカ・ワシントン大学大学院が主催する第2回プロダクティブ・エイジング会議に参加し、研究発表を行う。 プロダクティブ・エイジングを日本で実現していくにあたり、どのような問題意識があるかを考えていく。次年度では、プロダクティブ・エイジングの概念の研究に携わる有識者を集め、デルファイ方法を用いて問題意識とその解決方法を見出していく。
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