研究概要 |
本研究の目的は,認知的方略尺度を作成し(研究1) ,その信頼性と妥当性を検証すること (研究2) ,および防衛的悲観主義が高いパフォーマンスを示すメカニズムを検討すること(研究3)であった。研究1で認知的方略尺度が作成され,研究2で認知的方略尺度の信頼性と一部の妥当性が確認された。研究3では,遂行場面に対して対応策を練るといった計画に対する熟考を行うことが,積極的な学習方略を媒介として高い学業成績を修めることが明らかとなった。また,遂行場面における成功について熟考することが,テスト2週間前の不安を和らげ,それが適応的な学習方略を促し,その結果,高いパフォーマンスを修めるという一連のプロセスが確認された。一方で,失敗に対する熟考はテスト2週間前の不安を高め,それが不適応的な学習方略につながり,結果,低いパフォーマンスに結びつきやすいことも示された。
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