我々の先の研究で定義されたオープンブック分解の複雑度と、オープンブック分解の既に知られている不変量との比較を様々に行う中で、Alexander多項式(同じことであるが、Conway多項式)が持つ幾何的な側面が、複雑度(こちらも幾何的に定義されたものである)との関係を見出す上で有効に働くことが明らかになった。さらに、Alexander多項式を与えるところの写像類群のSiegel表現の発展物であるJohnson-Morita表現を利用して不変量を構成することで、複雑度をより精密に評価できるであろうという予測を得た。
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