繰り返し遷移が必要なモンテカルロ(ITRMC)法の漸近的性質を研究した。とくにベイズ統計学におけるITRMC法の研究を行い、モンテカルロ法の退化性、弱一致性といった概念を定義した。応用として混合モデルや、カテゴリカル解析でのベイズ事後分布の解析を行い、これらに適用されるITRMC法が退化するものの弱一致性を持つことを示した。それを利用してより高速なモンテカルロ法を提案し、実際に数値計算で高速化を達成することを示せた。こうした改善手法は従来の手法では正当化されず、また直感的議論では発見しにくいため、本研究のアプローチで初めて可能になった。
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