統計力学と量子論に動機を持つ数理物理学の確率解析的研究

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22740086
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 基礎解析学
• 研究機関: 信州大学
• 研究代表者: 乙部 厳己 信州大学, 理学部, 准教授 (30334882)
• 研究期間 (年度): 2010-10-20 – 2014-03-31
• キーワード: 確率偏微分方程式 / 確率解析

研究概要

当研究で取り組んだ具体的な課題は次の2つである。1つには安定型白色雑音を伴う放物型確率偏微分方程式の解の正則性の問題、もう1つは確率線型輸送方程式の観測地から係数を推定する逆問題である。第一の問題については、（可積分性の低い）バナッハ空間の補間空間論を援用して正則性を議論する方針をとり、基準となる各空間での（非対称）独立確率変数の収束条件を得た。逆問題については2次変分過程を元としてランダムな観測地から決定論的係数を推定する公式を得ることにも成功した。

研究成果

• [雑誌論文] Inverse Problems for Stochastic Transport Equations (2013)
  • 著者名/発表者名: 乙部厳己
  • 雑誌名: 数理解析研究所講究録 巻: 1855 ページ: 140-146
• [雑誌論文] Measure theoretical approach to recurrent properties for quantum dynamics (2011)
  • 著者名/発表者名: Y. Otobe and I. Sasaki
  • 雑誌名: J. Phys. A : Math. Theor 巻: 44(46) ページ: 465209(11)
  • DOI: 10.1088/1751-8113/44/46/465209
  • 査読あり
• [学会発表] 確率偏微分方程式の定式化とその性質 (2013)
  • 著者名/発表者名: 乙部厳己
  • 学会等名: 愛媛大学解析セミナー
  • 発表場所: 愛媛大学
  • 年月日: 2013-12-07
• [学会発表] Inverse Problems for Stochastic Transport Equations (2012)
  • 著者名/発表者名: 乙部厳己
  • 学会等名: 確率論シンポジウム
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 2012-12-20
• [学会発表] Inverse Problems for Stochastic Transport Equations (2012)
  • 著者名/発表者名: 乙部厳己
  • 学会等名: Workshop on PDEs with Random Terms
  • 発表場所: 湯沢グランドホテル
  • 年月日: 2012-06-19
• [学会発表] 関数解析的視点による確率(偏) 微分方程式 (2012)
  • 著者名/発表者名: 乙部厳己
  • 学会等名: サマースクール 『ゆらぎと微分方程式』
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2012-06-16
• [備考] 乙部厳己, 新入生のための数学書ガイド, 日本評論社, 数学セミナー, 2013年(4月号) 2013(Mar. 12)
  • URL: http://argent.shinshu-u.ac.jp