Wnt/Fzdシグナルは、骨芽細胞分化における中心的な役割を担うことが示唆されていたが、その詳細は必ずしも明瞭ではなかった。本研究において、過去に報告されていたβ-catenin経路活性化のみならず、同時にJNK経路阻害が相侯って、骨芽細胞分化を促進することが明らかとなった。さらに、β-catenin経路およびJNK経路の活性化のバランスは、Wntリガンドを受容可能なLRP分子の量により統一的に制御されている可能性が示唆された。また、LRP分子の細胞内動態は、Wnt分子により制御されている可能性が想定された。今後、Wntシグナル伝達とLRP局在制御の連関の解明が、骨芽細胞分化におけるWntシグナル全容解明につながると考えられた。
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