重症薬疹のスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の発症にマイコプラズマ肺炎(MP)感染症が関連しているが、その因果関係は不明である。我々は以前にSJS急性期では免疫調節を司る制御性T細胞(Treg)の機能が低下している事を見出した事から、Tregの質的変調が関与することが考えられた。そこでMP感染症のTregを解析したところ、一般的なウィルス感染症とは異なり、回復後も長期間に渡りTregの機能が低下している事を見出した。また、MP感染症のTregは、機能が低いCCR6.Tregの割合が増加している事もわかった。これらの所見から、エフェクターT細胞が活性化しやすい状況が長期間続き、薬剤等へのアレルギー反応が起こりやすい状態になり、その結果SJSを引き起こす可能性が示唆された。
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