近年、胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は、高齢者や合併症を有する患者さんに対する低侵襲治療として広く行われている。その一方で、ステントグラフト内挿術のトレーニングは、限られた実際の症例でしか行うことができず、患者さんへのリスクは避けられない。そこで、本研究では、体外循環用のローラーポンプを用いて、拍動流を生成し、実際の手術と同様の手技で胸部大動脈瘤モデル内にステントグラフトを内挿できるシミュレータを開発した。本研究で開発したシミュレータは、患者さんへのリスクなしにステントグラフト留置術のトレーニングを行うことができ、修練医のトレーニングに有用であると考えられる。
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