本研究では、特発性大腿骨頭壊死症の発生機序解明を目的とし、その基盤となる特発性大腿骨頭壊死症動物モデルの確立およびその発生機序における自然免疫シグナリングの役割を明らかとするため研究を行った。その結果、(1)ステロイド性大腿骨頭壊死症の発生に荷重は関与していないこと、(2)世界初のアルコール性大腿骨頭壊死症動物モデルの確立、(3)ステロイド性大腿骨頭壊死症の発生には、toll-like receptorのリガンドが必要であること、(4)ステロイド性大腿骨頭壊死症は、ステロイド投与による転写制御因子活性の変動により発生すること、(5)臨床例の検討から、ステロイド性大腿骨頭壊死症の発生には、ステロイド投与後の肝機能の変化により予測可能であることを明らかとした。これらの結果は、特発性大腿骨頭壊死症の発生機序解明に有用な情報と考えられる。
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