緑内障濾過において、適切な濾過胞形成には結膜及び結膜下テノン嚢組織における瘢痕形成の制御が重要である。濾過胞組織は前房水中の生理活性因子の影響を直接受けており、さまざまな生理活性物質がテノン嚢の瘢痕形成に影響を及ぼす。手術症例から前房水を採取、またテノン嚢細胞を採取し培養、サンプル中の生理活性因子を測定、培養細胞では緑内障薬や血管新生抑制薬への反応、細胞外基質の変化の観察・細胞接着因子・発現因子の検討、および病態との関連を評価した。また、ROCK阻害薬のシュレム管内皮細胞への影響を検討、房水流出の理解を深め、房水に影響をうけている瘢痕形成や今度の発展についての手掛かりを得ることができた。
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