アルコールに起因する問題が生じてから連続飲酒までの状態であるプレアルコホリックをどのように認識しており、どう変化していったのかを明らかにすることを目的に、アルコール依存症患者と当時の同居家族に対して半構成的面接を行い、質的記述的に分析した。その結果、プレアルコホリックの認識と変化には飲酒による高揚感といった効果を求めて飲んでいる段階、社会的な困難事といった直視し難い現実から逃れるために飲んでいた段階、飲酒量や頻度の増加に伴い健康上の障害が出現するようになった段階の3つの段階があり、医療従事者も適正飲酒の指導、問題飲酒者の抽出や経過観察、短期介入と、段階に合わせた支援をしていく必要性が示唆された。プレアルコホリックの段階では簡単な治療介入により良好な予後が期待できるため、対象がコーピングを図れるような環境調整や、医療従事者による短期の介入によりアルコール関連問題の改善していくこが求められる。
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