関連分野におけるレファレンスを行い、受傷直後の外傷性脳損傷者の家族のニーズは非常に高く、特に情報へのニーズが求められていることが分かった。対象者4名に延べ6回、聞き取りを行い、質的研究デザインを用いて分析した。3年間の研究を通して主介護者は、脳外傷後に起こり得る人格の変化など、予後について説明を聞いた者とそうでない者とではその後の対処方法が異なっていた。説明を聞いた介護者は、予期せぬ出来事が突然出現したことに困惑しながらも、医療者が発した「意識状態の改善」の言葉を支えに患者の介護を行っていた。一方、説明を聞いていない介護者は、予期せぬ出来事が突然出現したことに困惑しながらも、身体状況が改善すれば意識状態や人格の変化が元に戻ると思いそのことに希望を見出していた。
|