研究課題
基盤研究(A)
本研究は、国際戦争の要因としての「不満」に着目し、社会心理学・政治心理学といった隣接分野と協働しながら、「不満」を実証的に析出し、国際比較研究を行うことを目的とする。そのため、これまで先行研究では扱われてこなかったアジア諸国を対象にサーベイ実験調査を比較可能な形で実施し、いかなる不満がどのような条件で蓄積されるのかを示し、さらに不満を解消する政策対応とは何かを実証的に理解する。
人々の国際関係についての不満を実証的に測定・評価することによって、国際戦争を回避するための手がかりを得ようとする研究であり、国家主体の合理的な意思決定の積み重ねの上に国際関係を理解することの限界を乗り越える取り組みとして、その学術的意義を高く評価することができる。研究遂行能力及び研究環境も十分で、既存の学術的知見を前進させる具体的成果が期待できる。