研究課題/領域番号 |
22H00558
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福士 謙介 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 教授 (30282114)
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研究分担者 |
渡部 徹 山形大学, 農学部, 教授 (10302192)
佐野 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (80550368)
渡辺 幸三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80634435)
大村 達夫 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 名誉教授 (30111248)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 下水疫学 / アジア / ウイルス |
研究実績の概要 |
年度当初に全参画研究者が仙台に集まって会議を行い、年度計画について話し合い、以下の研究を行った。 研究項目1(広域アジアの下水調査に基づく多様な病原ウイルスの検出):ベトナムのフエ大学(フエ)、スリランカのモラツワ大学(コロンボ)及びペラデニア大学(キャンディ)、バングラデシュのダッカ大学(ダッカ)、フィリピンのデ・ラサール大学(マニラ)、マレーシアのマラヤ大学(クアラルンプール)を現地の生活排水等を採取する共同研究体制を構築した。インドネシア・デンパサールとベトナム・ハノイでは下水の集水データを1時間の解像度で得られるよう依頼すると同時に、既存の降雨データや将来予測データならびにそれを対象地域においてダウンスケールしものを入手した。仙台市内、松山市内の下水処理場の下水流入水を採水した。 研究項目2(ヒトに感染する可能性のある未知ウイルスの下水からの検出):下水から検出された多様なウイルスのゲノム配列情報に基づいて、それぞれのウイルスが感染できる動物を同定する機械学習モデルの開発に着手した。本年度は、まずウイルスと宿主の相互作用を予測するための半教師付き機械学習モデルのアルゴリズムについて検討した。 研究項目3(下水疫学データを感染流行モデルに適用した感染対策シナリオの最適化):都市における感染症と人間の関係を下水によって関知するため、都市における様々なイベントデータ(例えばgoogleの人流データ)と特定サンプリング地点における下水に含まれる病原微生物濃度を関連付けるモデルの構築に取り組んでいる。また、人獣共通感染症(例えば愛玩動物経由)のモデルも併せて開発中である。また、モデル構築のために,ベトナム・フエ市におけるウイルス感染症患者数の時系列データの収集も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目1(広域アジアの下水調査に基づく多様な病原ウイルスの検出)、研究項目2(ヒトに感染する可能性のある未知ウイルスの下水からの検出)、研究項目3(下水疫学データを感染流行モデルに適用した感染対策シナリオの最適化)ついて、共に今年度に予定していた研究計画を進捗させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究項目1では、アジアの代表的な都市を対象にして、下水疫学調査体制を現地カウンターパートとの共同研究を実施する。また、国内の仙台等の各下水処理場を対象としたサンプル採取を継続して、多様な病原ウイルスの検出を行う。 研究項目2では、今年度に引き続き、定量化されたゲノム特性値を説明変数として、各ウイルスが感染する宿主動物を予測する機械学習モデルの開発を行うために、NCBI等の核酸配列データベースから、感染する宿主動物(ヒト、豚など)が分かっているデータを収集して特徴化する。 研究項目3では、今年度に引き続き、各ウイルス感染症を対象として、下水から検出される各ウイルスの遺伝子コピー数濃度等から、無症状も含めた感染者数の時系列データを推定する手法の開発を行う。
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