研究課題/領域番号 |
22H00587
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平田 雅之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任教授(常勤) (30372626)
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研究分担者 |
野村 泰伸 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50283734)
鈴木 隆文 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (50302659)
MILOSEVIC MATIJA 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (50840188)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ブレインマシンインターフェース / 機能的電気刺激 / 体内埋込み / 機能再建 / 医療機器 |
研究実績の概要 |
1) 埋込FES用刺激電極の開発:神経束に損傷なく安全に固定でき、神経束を選択的に多点刺激でき、長期間安定して刺激できることを目標に、埋込FESに至適な電極を2タイプ開発した。神経束に巻き付けるようにして装着し、3極刺激にて微細な電気刺激が可能な構造とした。 2) 埋込FESの手術手技の確立:腕神経叢・馬尾に効果的に刺激電極を留置するための手術手技を開発した。上肢では上肢痙縮の治療に用いられる筋皮神経縮小術の手術手技を参考に、腕神経叢の近位測で正中、橈骨、尺骨、筋皮、腋下の各神経に5cmの皮膚切開でアプローチする手技を開発した。下肢は通常の腰椎後方アプローチで馬尾レベルの露出ができることを確認した。電気刺激にて運動枝と感覚枝を判別する手法を検討した。動物種としてはヒトとの解剖学的機能的相同性の観点からマカクサルを用いた。 3) 腕神経叢・馬尾FESによる選択的筋制御法の開発:動物実験にて近位末梢神経電気刺激により生じる筋収縮に関して、刺激強度と筋電位と関係を明らかにした。次いで、個々の神経の電気刺激により誘発される筋収縮を同定した。本動物実験で用いる筋活動計測ならびにFES用の電気刺激システムは、既存の計測システムに、電気刺激モジュールを新たに導入して、刺激・計測プログラムを組んで構成した。 4) 埋込FES装置の開発:埋込BMI装置と連動する埋込FES装置の基本的な要求仕様を検討し、20チャンネル、triphasicパルス連続刺激、刺激電流 0~4mA、刺激時間0~1ms、刺激周波数30~60Hz程度が必要と考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
埋込FES用刺激電極の開発に関しては、神経束に損傷なく安全に固定でき、神経束を選択的に多点刺激でき、長期間安定して刺激できることを目標とした。埋込FESに至適な電極を2タイプ開発した。神経束に巻き付けるようにして装着し、3極刺激にて微細な電気刺激が可能な構造の電極を開発できた。 埋込FESの手術手技の確立に関しては、腕神経叢・馬尾に効果的に刺激電極を留置するための手術手技を開発した。上肢では、上腕に制御するために必要な正中、橈骨、尺骨、筋皮、腋下の各神経に5cmの皮膚切開でアプローチする手技を開発できた。下肢も通常の腰椎へのアプローチで馬尾レベルの露出ができることを確認できた。 腕神経叢・馬尾FESによる選択的筋制御法の開発に関しては、動物実験にて近位末梢神経電気刺激により生じる筋収縮に関して、刺激強度と筋電位と関係を明らかにできた。次いで、個々の神経の電気刺激により誘発される筋収縮を同定した。本動物実験の実施に必要な筋電計測・電気刺激システムを本研究費にて既存システムを補完して完成させることができた。 埋込FES装置の開発に関しては、埋込BMI装置と連動する埋込FES装置の基本的な要求仕様を検討し、チャンネル数が当初想定しているより多数のチャンネル数が必要であることが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
1) 埋込FES用刺激電極の開発:近位末梢神経に損傷なく安全に固定でき、神経束を選択的に多点刺激でき、長期間安定して刺激できる電極を開発する。令和4年度に開発した電極を動物実験の結果を踏まえて改良する。また長期実験のための経皮電極コネクタを開発する。 2) 埋込FESの手術手技の確立:電極の留置・固定方法、刺激また近位末梢神経において運動枝と感覚枝を判別・分離する手法を開発する。令和4年度の開発結果を踏まえて、手術手技を改良し、動物での手術手技を確立する。 3) 腕神経叢・馬尾FESによる選択的筋制御法の開発:近位末梢神経をさらに選択的に電気刺激した際に誘発される筋収縮反応を同定することにより、肩、肘、手関節屈曲伸展、手指の屈曲伸展を選択的に筋制御する手法を動物実験により開発する。 4) 腕神経叢・馬尾FESによる機能的筋制御法の開発:四肢の運動は、複数の神経支配により、複数の筋肉が複合的に収縮することにより、機能的な運動が実現される。そこで、第2段階として、選択的近位末梢神経刺激を組合せ、神経を複合的に刺激することによって生じる複合的な筋活動の線形性/非線形性等の刺激反応特性を定量的に解析する。この知見にもとづいて複数の近位末梢神経の刺激により生じる複合運動を制御する技術を開発する。 5) 埋込FES装置の開発:令和4年度に基本仕様を検討した多チャンネル電気刺激装置を試作する。重畳巻付け型刺激電極と接続して埋込FESの原理検証機を試作する。
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