研究課題/領域番号 |
22K00227
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
横川 十帆 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 助手 (90881821)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | バイオアート / メディアアート / イメージ人類学 / メディア考古学 |
研究実績の概要 |
令和5年度は、本研究計画に基づき主に論文執筆と学会発表での成果発表を行なった。 本研究は生命現象を用いたバイオアートの実践から、イメージ研究の新たな展開を示すことにある。令和5年度においてはイカの体色変化を映像表現として提示する作品発表を踏まえて、「分解」をキーワードに既存の視覚メディアと対比させてポリティカルエコロジーの視点から論じる国際学会発表を行った(Re:source 2023, The 10th International Conference on the Histories of Media Art, Science and Technology)。また、ヒト以外のエージェントによって、規格化・標準化からは漏れ出る視覚表現を行う試みとして、デザインの文脈で論じる論文発表を行なった(WDO Research and Education Forum 2023)。Re:source 2023での発表はプロシーディングも刊行予定である。
また、令和5年4月に渋谷FabCafe Tokyo併設のBioClubにおいてイカワークショップを開催し、海外のアーティストや国内のデザイナー、生物学の研究者とともにイカと電気刺激を用いた作品制作を実施した。ワークショップではイカの体表組織を人体に貼り付けて電気を流して色を変化させるウェアラブルデバイスのプロトタイプが制作されるなど、様々なアイデアが試された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イカを用いた映像表現に関する学会発表と論文発表を複数回行えていることに加え、新たにオートクロームをはじめとした写真術における植物とイメージとの関わりについて制作とリサーチを進めることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は2年目に取り掛かることのできなかった海洋生物を用いた作品制作とその成果についての研究発表を行う予定である。また、生命とイメージの実践についてポリティカルエコロジー的視点から考察する研究を進める。具体的にはカラー写真技術のオートクロームを取り上げ、作品制作と論文執筆を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を精査するにあたり物品購入額の調整で差額が生じた。この残高は次年度の学会発表の参加費や、研究に必要な文献の購入に充てる予定である。
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