研究課題/領域番号 |
22K00655
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
烏 日哲 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (00781220)
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研究分担者 |
石黒 圭 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (40313449)
中井 陽子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (60398930)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ゼミ談話 / アカデミック日本語 / オンライン / 縦断研究 / 適応プロセス / 留学生 |
研究実績の概要 |
本研究は、大学院のオンラインゼミにおける談話の実態と、オンラインゼミへの留学生 の適応プロセスを明らかにすることを目的にしている。具体的には、日本の大学院のオンラインゼミの様子を録画し、その文字化したデータを分析することによって、オンライン上でのゼミ活動が急速に広まっている現状において、留学生がどのような困難点にぶつかり、それをどのように乗り越え成長していくのかを考察する。さらに、本研究で収集したゼミ談話のデータを参加者の許可を得られた範囲内で教師談話やアカデミック日本語関連の研究に従事している方に教室談話の基礎資料として提供できるように整備する予定である。 本年度は収録したデータの文字化を中心に進めた。研究成果の発信実績としては、第一次チェック作業が終了したデータを用いて、研究発表を1件行った。ゼミ談話の複雑なやりとりの中で、留学生の質疑の際の談話が、ゼミ回数が重なるにつれ、どのように変容していったかについて、2020年4月~2022年3月まで行われた縦断ゼミ談話データを用いて考察し、留学生のゼミへの適応過程を明らかにすることを目指した。今後の研究では、留学生の質疑応答やコメントの表現のバリエーションの広がりや変容は、具体的になにをきっかけに、どのようなルートをたどったのかについて詳細に分析していく必要がある。また、ゼミでのコメントは、誤字脱字など表記に関わるものから、データ解釈など内容に関わるもの、研究全体の枠組みに関わるものまで様々である。ゼミでの立場や専門知識の有無によってコメントの内容がどのように変容していくのか、内容的な側面に着目していく。今後は研究の観点を広げ、教師のコメントが作文に与える影響や、学習者の意識などについても視野に入れ、分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本調査で収集しているデータは、人文社会系大学院のゼミ談話のデータであり、2020 年 4 月から継続的にデータ収集を行っているものである。2023年3月までに約4年分の談話データの収集が無事完了した。2023年度は談話データの文字化作業を地道に進めており、データの整備も予定通り進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の2024年度は、現在進行中の文字化作業に集中し、すでに完了した文字化1次データの2次チェックを行う。すでに文字化されたデータについて分析し、分析結果を学会等で発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度中に文字化要員の一名が家庭の事情によって退職したため、欠員が出た。
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