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2022 年度 実施状況報告書

市場の刑事規制におけるグローバル化の諸課題

研究課題

研究課題/領域番号 22K01204
研究機関京都大学

研究代表者

高山 佳奈子  京都大学, 法学研究科, 教授 (30251432)

研究分担者 平山 幹子  関西学院大学, 法学部, 教授 (10388754)
辻本 典央  近畿大学, 法学部, 教授 (60378510)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード経済刑法 / 比較刑法 / 証券犯罪 / 科学的捜査
研究実績の概要

1.国際シンポジウム
オンライン(一部の参加者は数名ずつサテライトに集まる)形式による国際シンポジウム「第6回日中経済刑法研究会」を2022年5月7日に開催し、「企業会計をめぐる犯罪――役員報酬と有価証券報告書について」、「DPF事業者に対する責任追及の動向」、「デジタルプラットフォームの競争法における現状と課題、刑事法との接点」、「情報の取扱いに係るDPFビジネスの刑事規制」などをテーマとしてとり上げた。日本側からは研究代表者・分担者の全員が登壇した。中国側は、中国刑法学協会会長・副会長を始めとする著名な研究者44名および若手研究者多数が参加し、日本側と合わせて約100名の参加があった。中国側の協力研究機関は、中国刑法学協会のほか、上海市法学会刑法学研究会、華東政法大学刑事法学研究院、華東政法大学中国法治戦略研究センターであった。この研究集会のレポート記事が、中国の学術関連情報インターネットサイトで公表されている。
https://www.eshukan.com/academic/show.aspx?id=42436&cid=28
2.定例研究会
研究分担者およびその他のメンバーにより開催している関西経済刑法研究会において、今年度は4回の研究会を実施した。2022年4月9日には、上記シンポジウムの準備として「華東政法大学との国際共同研究にむけて」をテーマとした。7月3日の研究会では「AI・アルゴリズム取引とインサイダー取引規制」、「違法な税務調査がなされたことの立証上の問題と違法収集証拠排除」をとり上げた。10月29日の研究会は「誤振込と財産犯――阿武町誤振込事件の現段階――」をテーマとした。2023年2月11日には「プレサンスコーポレーション事件について」、「青梅市建設工事談合事件について」というテーマをとり上げた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

メンバーの所属する関西経済刑法研究会と、従来中国の武漢大学・華東政法大学とで継続的に進めてきた経済刑法の比較研究会は、コロナ禍のため、対面開催が延期されてきており、計画どおりに実施できなかった。しかし、オンラインでの国際シンポジウムが開催できたことにより、中国刑法学界全体から著名研究者から若手研究者まで含む幅広い参加を得られたので、不足分を補って余りある成果だと考えられる。交換業績や学会報告は、おおむね計画されたとおりに進んでいる。

今後の研究の推進方策

延期中の国際シンポジウムの対面開催を復活させるほか、オンラインも利用した単発の国際セミナー・研究集会を積極的に開催して、各国の立法の指針となるような提言を出して行きたい。日本刑法学会関連の行事や、海外大学の研究集会の機会も利用する。とり上げるテーマとしては、最近の証券犯罪をめぐる判例・学説の状況、暗号資産等の新しい対象に関する法規制のあり方、コロナ禍で深刻化した新しい財産犯の手口と国際犯罪ネットワークに対する捜査などを含む、最新の犯罪情勢の分析と解釈論・立法論的対応を中心に考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症対応が長引いているため、国際会議等の研究集会の大部分がオンライン開催となり、旅費として積算していた金額のほとんどが未使用になった。2023年度は渡航・招へいが再開できることが期待されるため、延期されていた国際シンポジウムの対面開催のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 「近年の最高裁判例と間接正犯・共同正犯の行為について」2023

    • 著者名/発表者名
      平山幹子
    • 雑誌名

      高橋則夫先生古稀祝賀論文集

      巻: 1 ページ: 851-863

  • [雑誌論文] 控訴審が破棄・自判する場合に求められる事実の取調べの在り方――最決令3・5・12刑集75巻6号583頁2022

    • 著者名/発表者名
      辻本典央
    • 雑誌名

      新・判例解説Watch

      巻: 30号 ページ: 229-232

  • [雑誌論文] 「吉弘光男・宗岡嗣郎編『犯罪の証明なき有罪判決』」2022

    • 著者名/発表者名
      辻本典央
    • 雑誌名

      図書新聞

      巻: 3542号 ページ: 5

  • [雑誌論文] 刑事法学の動き「堀田周吾『被疑者取調べと自白』」2022

    • 著者名/発表者名
      辻本典央
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 94巻6号 ページ: 112-115

  • [雑誌論文] 刑事法学の動き「緑大輔『刑事捜査法の研究』」2022

    • 著者名/発表者名
      辻本典央
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 94巻13号 ページ: 244-247

  • [雑誌論文] 「救助的因果経過の切断について――最決令和2・8・24刑集74巻5号517頁を素材に」2022

    • 著者名/発表者名
      平山幹子
    • 雑誌名

      刑事法の理論と実務

      巻: 4 ページ: 77-96

  • [雑誌論文] 「"実行行為"概念的問題性」(畢海燕訳)2022

    • 著者名/発表者名
      高山佳奈子
    • 雑誌名

      南大法学(中国)

      巻: 15巻5号 ページ: 37-45

  • [学会発表] 不作為犯論2023

    • 著者名/発表者名
      平山幹子
    • 学会等名
      日本刑法学会関西部会令和4年度冬季例会
  • [学会発表] DPF 事業者に対する責任追及の 動向2022

    • 著者名/発表者名
      平山幹子
    • 学会等名
      第6回日中経済刑法研究会
    • 国際学会
  • [学会発表] 李振林「顔認証情報の不正取得・不正利用 に対する刑法的規制」へのコメント2022

    • 著者名/発表者名
      辻本典央
    • 学会等名
      第6回日中経済刑法研究会
    • 国際学会
  • [学会発表] 総括2022

    • 著者名/発表者名
      高山佳奈子
    • 学会等名
      第6回日中経済刑法研究会
    • 国際学会
  • [学会発表] 比較刑法の回顧と展望2022

    • 著者名/発表者名
      高山佳奈子
    • 学会等名
      日本刑法学会第100回大会
  • [学会発表] 経済刑法2022

    • 著者名/発表者名
      平山幹子
    • 学会等名
      日本刑法学会第100回大会
  • [図書] ハイブリッド刑法各論〔第3版〕2023

    • 著者名/発表者名
      松宮孝明、塩谷毅、安達光治、野澤充、嘉門優、平山幹子、金尚均、玄守道、豊田兼彦、井上宜裕
    • 総ページ数
      402
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589042576
  • [図書] たのしい刑法I 総論(第3版)2023

    • 著者名/発表者名
      島伸一、山本輝之、只木誠、大島良子、高山佳奈子
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      9784335359231
  • [図書] ステップアップ刑法総論2022

    • 著者名/発表者名
      葛原力三、佐川友佳子、中空壽雅、平山幹子、松原久利、山下裕樹
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589042354
  • [図書] Menschenwuerde und Selbstbestimmung in der medizinischen Versorgung am Lebensende2022

    • 著者名/発表者名
      Kanako Takayama u.a.
    • 総ページ数
      239
    • 出版者
      Mohr Siebeck
    • ISBN
      9783161614026

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公開日: 2023-12-25  

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