| 研究課題/領域番号 |
22K01398
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
図斎 大 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (60868850)
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| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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| キーワード | 進化ゲーム理論 / 適応動学 / 異質性 / ポピュレーションゲーム / 安定性 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題のひとつの中心となる目標が，主体間の異質性についてその分布や根底となるダイナミクスに集計可能性などの仮定を置かない一般的なモデルを構築し，ポピュレーションレベルの戦略分布の遷移を微分方程式として分析できるような数学的基盤を与えることであった．これに関してゲーム理論の学際的国際学術誌であるInternational Journal of Game Theoryから"Evolutionary dynamics in heterogeneous populations: a general framework for an arbitrary type distribution"と題する論文を公刊するに至った．また日本経済学会でも発表を行った．
この論文で基礎付けた一般的なモデルをもとに，異質性を平均化した代表的個人モデルで集計できる条件や集計できない時のずれを様々な時間軸で分析するというのが次のステップである．これについてSWET 2023で発表した．またもうひとつの中心的な目標である均衡の安定性の一般的分析について，慶応大経済・広島大工学部で発表した．
またウィスコンシン大でのBill Sandholm memorial workshopにおいてこの分野の文献レビューを行う中で私自身の成果に触れ，この分野の世界的な第一級の研究者を含むオーディエンスからのフィードバックを得た．これらの発表での議論をもとに，それぞれ論文の執筆を進めている．そして応用段階の研究として，線形分業での協力の進化に関する共同研究も引き続き進めている．この中間成果について総研大での間接互恵性に関するワークショップで発表し，社会生物学など様々な分野の研究者からのフィードバックを得た．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題で設定した諸目標についてモデル構築・分析，学会発表，論文執筆の各段階へと流れており，そして一つの目標について論文の公刊に至っている．また経済学のみならず社会生物学や工学などの他分野へも順調に成果発表・共同研究など進んでいる．
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| 今後の研究の推進方策 |
以上の各目標について研究のパイプライン上でのステップを前進させ，執筆中の論文については国際学術誌への投稿へ，それ以外の研究についても学会等での発表へと進めていく．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究計画では研究発表のみでなく情報収集のために国際学会への定期的な参加を予定していた．しかし，この数年の急激な発表形態の変化や円安の急激な進行から，予定よりも海外での学会参加を絞っている．他方で，国内において学際的な研究者ネットワークを開拓することが研究計画よりも順調に進んでいるため，国内での共同研究や招聘される機会が多くなり，スケジュールとしてもそちらを優先しているため，旅費について国内出張分が多くなっている．ただ研究が完成するにつれ学会発表が増えていくことになる．
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