研究課題/領域番号 |
22K01469
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
二階堂 有子 武蔵大学, 経済学部, 教授 (20396899)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Female entrepreneurship / Informal employment / Women empowerment / India / Inclusive growth / 金融包摂 / 労働参加率 / デジタル化 |
研究実績の概要 |
インドはこの数十年、高い経済成長率を続けており、一人当たり所得の上昇に伴い合計特殊出生率が低下し、女性の識字率や就学率が上昇している。こうした女性の経済参加を高め得る経済的・人口動態的条件が整っているのにも拘わらず、インドの女性労働参加率は一人当たり所得が同じような国々と比べても低い水準が続いている。また、女性労働者の多くは適切な就業機会の欠如や家事との両立、政府の起業支援政策などの理由から個人事業主が多く、そのほとんどが極めて小さい未登録企業(インフォーマル企業)である。インドの包摂成長のためには、女性の経済参加やエンパワメント向上は重要な鍵であり、本研究では、女性の労働参加が低い理由ばかりでなく、女性の起業活動の実態や既存の支援政策の影響を明らかにすることが目的である。特に、後者は先行研究で見過ごされている側面である。
こうした背景から、本研究では女性の起業活動の実態や政府の各種支援政策が女性の起業・雇用やエンパワメントに与える影響について、①既存の二次データを用いた実証分析と②独自の調査を通じて明らかにする。2023年度は、①については、最新の大規模標本家計調査である「全インド債務投資調査(All India Debt and Investment Surveys: AIDIS)」のデータを用いて、政府の進める金融包摂政策、具体的には基本銀行口座に付帯するRuPay debit card(デジタル金融サービス)の利用が、制度融資へのアクセスや家計消費に与える影響について、分析を行った。②については、12月からインド工科大学マドラス校(現チェンナイ)に滞在し、タミル・ナドゥ州のコインバトールでNGOや自助グループを対象にインタビューを実施したほか、質問票調査と経済実験のフィールド調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病気の治療が必要で、当初の計画通り長期滞在先であるインド工科大学マドラス校へ渡航ができなくなった。そのため、現地調査の実施がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年8月までインドに長期滞在するため、その間に政府の各種政策の実態を把握すべく、政府系機関やNGO、業界団体でヒアリングを続けるほか、サンプル数を獲得するため、2023年度実施した地域とは異なる地域で、フィールド調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
病気のため、予定していたインド長期滞在の開始を三か月遅らせたため、次年度使用額が生じた。2024年8月までインドに滞在するので、現地調査・旅費で利用する。
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備考 |
2024年3月1日から「等身大のインド~インド工科大学マドラス校滞在記」という連載を政策研究フォーラムの月刊雑誌『改革者』において開始した。 2024年3月号(第1回)のタイトルは「厄介な大国を理解するために」である。今後、毎月1回全6回の予定でエッセイを執筆していく。
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