研究課題/領域番号 |
22K01532
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
湯田 道生 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (30454359)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 医療経済学 / 応用ミクロ経済学 |
研究実績の概要 |
本研究では,(i)特定健康診査制度の導入が健康と医療利用および生活習慣に与える影響,(ii)高齢者を対象とした施策の変遷と健康,医療利用および生活習慣の変化,そして(iii)喫煙率と平均余命に関する国際比較研究を実施する予定であった。 令和5年度は,この三つの研究課題のうち,(i)と(iii)に引き続き取り組んだ。具体的な内容は以下の通りである。(i)については,コロナ禍期のデータが公開されると思われる令和6年度に申請することを念頭に,利用する個票データの調査と先行研究および関連資料の調査と整理を引き続き行った。(iii)については,使用を考えているデータセットについての調査や,政策変数として利用する変数の模索,および先行研究の整理など,本格的な分析を行うための下準備を中心に行った。 (ii)の研究については,昨年度に計画案にある分析では新しい貢献を行うことが非常に難しいことが分かったため,令和5年度においては,そのために必要な物的および人的な研究資源を(i)と(iii)の研究に振り替え直すこととした。ただし,(ii)に関連した内容として,退職が高齢者の健康や生活習慣に与える影響を分析した共同研究が,Journal of the Economics of Ageing誌への掲載が決まった。この論文では,定年退職は口腔機能とメンタルヘルスを有意に改善すること,歯科医療利用の増加は,退職後の口腔機能の改善に役立つことを示唆する結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和6年度に実施する研究に向けて,最低限の準備ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,引き続き(i)特定健康診査制度の導入が健康と医療利用および生活習慣に与える影響と(iii)喫煙率と平均余命に関する国際比較研究について作業を進める。(i)については,コロナ禍のデータが公開される令和6年度に申請するために,令和4・5年度に収集した先行研究および関連資料の整理引き続き行うとともに,厚生労働省への個票データの申請の準備を行う。(iii)については,引き続きOECD諸国の喫煙規制に関する情報を収集することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
オープンアクセス費用として確保していた金額であったが,年度内に掲載決定に至らなかったため。
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