研究課題/領域番号 |
22K01685
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中川 充 日本大学, 商学部, 教授 (90638412)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 経営企画 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、「グローバル・イノベーションを促進するために、本社はどのような役割を果たす必要があるのか」という問いを明らかにすることである。より具体的には、「多国籍企業の本社が、自社が保有する経営資源をどのように再配分・再活用することにより、グローバル・イノベーションを実現しているのか」という問題の解明に取り組んでいる。 計画の2年目にあたる今年度(2023年度)には、以下の2点を中心に研究活動を行なった。 (1)前年度に引き続き、Academy of Management Review、Academy of Management Journal、Strategic Management Journal、 Journal of Internationas Business Studiesなどの主要ジャーナルに掲載された論文を中心に、グローバル・イノベーションの創出、本社の戦略的役割、経営資源の再配分などについて、既存の文献を広く収集し、整理を進めた。 (2)製薬企業を中心に、今後の本格的な調査へご協力いただける企業との関係構築に努めた。具体的には、各社の経営企画部門における管理職と定期的に情報交換を行う機会を設け、本社がグローバルなイノベーションの創出にどのように関与しているのか、また、その際の課題は何かなどについて確認した。同じ業界内であっても、各社で経営企画部門の位置付けや主な役割には相違があり、グローバル・イノベーションに対する意識も異なることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、製薬企業を中心として、複数社の経営企画部門における管理職に対して、ヒアリング調査を実施することができた。多国籍企業の資源配分を研究する上では、当該部門へのアクセスは必須であり、研究上のネットワークを構築することができた意義は大きい。ヒアリング調査の対象となった管理職の方々とは、本研究課題の問題意識を共有し、理解を得ることができたため、今後より深部に迫る調査を行うための環境が整ったといえる。 しかしながら、当初に予定していた「関連する論文を整理・検討し、分析のフレームワークを論文としてまとめる」という目標を達成することができなかった。その意味で、現在の進捗状況としては「やや遅れている」と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題のテーマである「本社の役割と経営資源のマネジメント」について、多国籍企業の本国親会社(本社)と海外子会社の双方の視点について調査を進めていく予定である。主には日本企業を対象としているため、本社への調査は直接訪問を中心に、海外子会社へは訪問調査やオンラインでのヒアリング調査なども併用し、効率的かつ円滑に実施していきたい。 同時に、文献レビューを精力的に進め、ヒアリング調査の結果と突き合わせながら、翌年度に実施予定の質問票調査で用いる質問項目の策定にも努めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題では、グローバル・イノベーションを促進する本社の役割と経営資源のマネジメントを、本社と海外子会社の双方の視点から明らかにしていくことを目指している。今年度には、主に本社側の関係者への調査を中心に行い、為替変動によりかかる費用が想定以上に大きくなるため、海外子会社側に対してはオンラインでヒアリング調査を行うにとどまった。そのため、海外調査にあてていた費用の支出がなく、次年度使用額が発生している。 また、別の課題(課題番号:19K13809)の事業期間延長が認められたため、テーマの性質上、本研究課題と重複する部分については、そちらから費用支弁したものがあった。限られた費用で研究成果を最大化するという目的を鑑みて、そのような意思決定を行なったことも、次年度使用額が生じた理由であるといえる。 新型コロナウィルスの影響による渡航の制限はなくなったものの、上述のとおり、別の要因で海外調査を実施することが難しくなってしまっている。幸いなことにオンラインによるヒアリング調査のノウハウも蓄積されてきているため、致命的な問題にはならないと考えられる。 研究課題の性質上、本社側の視点を中心に調査・分析を行うということも可能なため、それも含めて柔軟に対応を検討していく。
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