研究課題/領域番号 |
22K02235
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
内田 昭利 大分大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30910369)
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研究分担者 |
松下 幸之助 大分大学, 研究マネジメント機構, 教授 (10714040)
竹中 真希子 大分大学, 大学院教育学研究科, 教授 (70381019)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 学習支援アプリ / 数学嫌い / 理科嫌い |
研究実績の概要 |
「Society5.0に向けた人材育成」が叫ばれているが,その基礎となる数学や情報科学等に関する研究開発と教育が,米国や中国等に比して立ち遅れているとの指摘がある。また,国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)では,日本の中学2年生は,米国に比べ,数学や理科の学力が高いのに,数学や理科の学習が嫌いであるとの結果も公表されている。 そこで,本研究では,「数学」や「理科」の学業成績が良いのに,「数学の学習が嫌い」「理科の学習が嫌い」と回答する日本の子どもたちの特性を生かした学力向上への取り組みはできないかと考え,アプリ版潜在連想テストを開発した上で,潜在連想テスト・自己報告型アンケート・学力調査・結果のフィードバックが一体となった「理数」学習支援アプリを開発していくことを目指している。 2022年度は,集団式潜在連想テストの基本原理に基づき,「数学」「理科」のアプリ版潜在連想テストを開発した。さらに,当初計画を前倒し,「数学」「理科」に関する潜在意識とアンケート調査による顕在意識を組み合わせて測定できるように開発した。 潜在意識の測定に関しては,様々な条件を想定した画面表示ができるように設定し,動作確認を繰り返した。また,同時に多数のデータ収集と保存ができるシステムを構築した。 開発したアプリを使用することで,潜在意識と顕在意識の食い違いを検出することができる。今後は,開発したアプリを基本形にして「理数」学習支援アプリの開発につなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
潜在連想テスト・自己報告型アンケート・学力調査・結果のフィードバックが一体となった「理数」学習支援アプリの開発に関しては,潜在連想テストによる潜在意識と自己報告型アンケート調査による顕在意識を数分の調査で同時に測定できるように計画を前倒して開発に取り組んだ。その結果,基本的なアプリは完成した。 しかし,アプリの信頼性と妥当性を検討するデータ収集のための調査を計画したが,コロナ禍の影響で,データの収集が予定通りに進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度にアプリを使ったデータ収集が予定通りにできなかった。2023年5月に大学生150名を対象に,アプリを使ったデータ収集を予定している。収集した潜在意識のデータから信頼性と妥当性の検証を行っていく。信頼性と妥当性が確認されたら、様々な条件の下で同様のデータが得られるのか確認し、その結果を踏まえ、アプリの改良を行っていく。 また、数学・理科の学力調査と結果のフィードバックができるアプリ機能を追加していく。そのための基本的な測定方法の開発及び確認を行っていく。 その上で,改良されたアプリを用いて中学生のデータを収集する。その際に,特定の中学校に依頼してのデータ収集だけでなく,インターネットで広く公募して協力者を募ることも検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の関係で調査が予定通りに実施できなかった。その関係で,調査を実施・集計・分析するための経費を使用しなかったために,次年度使用額が生じた。今年度は調査を予定しているので,調査の実施・集計・分析に伴う経費として使用する予定である。
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