研究課題/領域番号 |
22K02477
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研究機関 | 福岡女学院看護大学 |
研究代表者 |
新小田 春美 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (70187558)
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研究分担者 |
松本 あさみ 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 助教 (50805546)
児玉 豊彦 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (10549166)
出石 万希子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (20712566)
若林 哲史 三重大学, 工学研究科, 教授 (30240443)
仲道 由紀 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (00437790)
柳園 順子 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 准教授 (20773831)
新小田 幸一 広島大学, 医系科学研究科(保), 名誉教授 (70335644)
坂梨 京子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (60264313)
吉村 裕三恵 福岡女学院看護大学, 看護学部, 助教 (50870359)
井上 彩香 福岡女学院看護大学, 看護学部, 助教 (70913143)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | NICU / 4か月児 / 育てにくさ / 養育環境 / 生活リズム / 育児支援 / 時間生物学 / 睡眠日誌 |
研究実績の概要 |
研究目的:NICUの治療環境で数か月経過した新生児の、退院後のサーカデイアンリズムの確立過程と授乳と親子の睡眠・覚醒リズムの実態把握をし、生後4か月までの子育て適応課題を明らかにすることを目指す。研究1年目にあたり、研究計画書・倫理審査書類を作成し、調査を開始できることを目指す。 研究実績:1年目は、子育て困難に関する文献検索を行い、母親の育児困難感の測定方法や育児不安の特徴を確認し、調査項目の構成を吟味した。分担研究チームを3班に分け、①歴史班 ②育てにくさ生体リズム調査研究班 ③児の入眠行動・睡眠環境観察班に分け、班会議の進捗報告を全体会議で確認した。 歴史班は、子育ての歴史研究としての1次文献収集および、育てにくさに関する先行研究にて、調査項目の選定のための基礎資料収集を進行中。育てにくさ調査研究班は、研究デザインと方法の検討をするために班会議をZOOM にて5回ほど実施した。対象時期をNICU退院2週間~1か月時点と、生後4か月時点の2回にわたってWebによる調査と、睡眠日誌調査を郵送法で行うこととし、三重県、熊本県、福岡県など複数県にて地域周産期医療センターを退院する児をリクルートするという計画で、追跡調査の方針を決定した。分担協力者のそれぞれの役割についても見直し、3つの班研究として、同時進行で進めている。育児困難生活リズム実態調査票と、睡眠日誌、対象施設・対象者への説明書などの一式の書類を作成した。 今後の展開;(2023年度:2年目)1)倫理審査申請提出①退院1か月時点と生後4か月児の両親の育児困難度調査(web)②退院後1か月、生後4か月での睡眠日誌による調査(郵送法)③説明文 ④チラシ等を一式作成。2)調査実行マニュアル作成 3)データ管理等、調査実行を年度後半期は集中し実行予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画の構築のために1年目は文献検索を通して、研究対象や研究方法の検討を中心に実施した。4か月児をリクルートする場合、小児科クリニック検診日が候補に挙がったが、NICU卒児をピックアップするのが困難であることから、地域周産期医療センターでのNICU退院時に、直接協力依頼をすることを決定した。しかし、協力施設への打診が、コロナ禍で立ち入りができずメールでの交渉の詳細説明の限界と、年度末での人事異動で交渉がかなわず、時間を要している。 研究の独自性ともいえる時間生物学的アプローチに関して、睡眠・覚醒リズムを意識した調査項目を設定しているが、WEB調査だけでは客観的データの限界があり、睡眠日誌の記録協力も併せて行うことや、退院時のリクルートから生後4か月までの時間経過が調査協力者の確保につながりにくいのではないかと懸念される。これらの解消のため、退院後1か月と生後4か月の2回調査を実施することとした。調査を実行する県を分担協力者の居住県内の総合周産期センターに調査協力の打診をしている段階である。調査は、今後もしばらく、病院への立ち入り制限なども予想され、主としてWEB調査での方法を決定した。リクルートに病院サイドだけの被検者協力の協力者を得ることの困難さが懸念されるので、研究メンバーの施設での同意説明の出勤体制を組まねばならない課題もあり、調査機関が予想以上に長期に及ぶ可能性もある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年は、本研究の中心の実態調査をスタートさせ、一部結果の報告を関連学会等で発表することを目指す。具体的スケジュールとして、5月-6月:計画書倫理申請書提出。6月~7月:対象児リクルートのための研究協力施設へのお願い。(訪問+メール連絡)必要時、協力施設での倫理申請提出。8月ー9月頃を目途に、調査スタート(倫理審査通過後)し、2023年度調査でデータ収集・分析・まとめ同時進行予定。対象児リクルートのための協力要員を募る必要もある。調査方法は、①WEB 調査と、②睡眠日誌の発送作業、③一部可能なケースは家庭訪問などで進行するので、分担協力者との班会議や対面会議なども2023年度は企画予定である。児の観測班は、既存の画像データでNICU入院中の、授乳前後の入眠行動の分析結果を、4か月児の睡眠状態の影響要因などの考察に役立てるための基礎資料作りに取り組む。今後、4か月児の家庭での養育環境と育てにくさの実測データの収集も、成熟児との比較も考慮して検討予定である。 8月頃より~2024年3月中、生活リズム調査と睡眠日誌調査データ収集。2023年度は、4か月児調査のデータ収集と分析,班研究として、同時進行の歴史研究も、データ収集と第1次分析。画像分析チームからは既存データの授乳前後の睡眠行動の特徴を踏まえて、4か月児の睡眠養育環境などの、訪問観察へ計画案を作成予定である。育てにくさの生活実態の主観的量的データ、睡眠日誌や観測による客観データを班会議、適宜および全体会議2回の会議にて検討・分析の進行予定である。観測データについては、時期が若干遅れステップ2の進行となる見通しである。歴史研究など、その知見を地方学会や専門学会等で発表できるよう進めていく予定である。2024年度、各班のそれぞれの分析および全体総括の報告予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、調査の依頼施設に出向けなかったため、調査票郵送料や、分担研究者の移動費被検者謝金が次年度繰り越しとなった。
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