研究課題/領域番号 |
22K02540
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
瀧本 家康 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (60823276)
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研究分担者 |
夏目 ゆうの 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (10706831)
南 伸昌 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (80292572)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 理科 / オンライン / 実験 / ILDS / ICT |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,コロナ禍において実施を余儀なくされた遠隔授業において,理科の授業で重要な軸となる「実験」をどのように取り入れていくことができるかを検討し,オンラインでも実施可能な実験項目を開発することである. 2年目の2023年度においては,研究代表者ならびに分担者が初年度に開発し,試行実施した結果に基づき,改善点を洗い出し,さらに改良することを目指した.また,教職員対象のセミナーでの試行実施も行い,現職教員の目線での改善につなげた.得られた成果は物理教育学会,地学教育学会,理科教育学会を中心に発表を行った. 成果の具体としては,天文分野における太陽の大きさを容易に測定することができる実験教材の開発,気象分野におけるスマートフォンのハイスピードカメラを活用した雨滴の落下モデル実験の開発ならびにヒートアイランド現象に関する概念調査,地質分野における風化に関する概念調査,エネルギー領域における演示実験の直接観察と遠隔観察の効果比較などを発表した. また, 遠隔授業における「慣性質量」に関する演示実験と議論を取り入れたアクティブラーニングを2大学間で実施し、その効果を検証した。学生は慣性質量が「運動状態の変化しにくさ」を示すことは理解したが、それと物体の運動の速さとの関連付けには困難を感じたことが示唆された。これらの結果から、遠隔授業と対面授業における理解度に差があるとは言えないことがわかった。 さらに,運動の第3法則に係る相互作用型演示実験講義において、摩擦力を明示することにより、「作用・反作用」と「つりあい」との差異化を明確にする教具を開発した。高等学校1、2年生対象の授業実践で効果を確認したが、過去の実践と比べて有意な効果は得られず、引き続き授業展開の見直しを行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた大学生を対象とした試行実践に加え,新たに実践可能な高等学校との連携を開始することができた.また,定期的に研究成果を公表することができた.
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今後の研究の推進方策 |
3年目は,主として開発教材を,実際に中学校や高等学校で実践し,教材としての有用性を検討することが主軸である.年間の実施可能回数は限られるため,成果を得ることができるように十分な準備を行った上で臨みたい.また,その実践で得られた課題を整理し,最終的な教材としての完成度を高めていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
計画的に研究費の利活用を行ったが,予定の変更や当初の予定金額との相違などが生じた結果,若干の残金が生じた.残金の額に鑑み,主として消耗品等に充当する.
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