研究課題/領域番号 |
22K03169
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
山内 星子 中部大学, 人文学部, 准教授 (00608961)
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研究分担者 |
小倉 正義 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50508520)
伊藤 大幸 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (80611433)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 発達障害 / 大学 / 心理的適応 / 予防的介入 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,適応促進モデルに基づく新たな発達障害学生支援プログラムを開発することである。本年度は,新型コロナウイルス流行の影響による大学の活動制限が継続している状況を鑑み,本研究の準備段階として取得した新型コロナウイルス流行前後の学生データ約4000名分の分析を行った。その結果,本調査に入るにあたり,下記の示唆を得た。 1つ目に,新型コロナウイルス流行下で,大学生の心理的適応は変遷していることである。2020年度初頭の入学生データでは,2019年度入学生のデータと大きな差はなく,むしろ抑うつ,不安は低かった。しかし,その半年後の2020年度中頃には,心理的適応の指標は全般的に悪化していた。そのような全体的推移の中で,発達障害特性の高い学生は,どの時点においてもそのほかの学生よりも心理的適応度指標が低く,交互作用は見られなかった。したがって,発達障害特性は低い心理的適応度と関連しており,新型コロナウイルス流行下においては発達障害特性の高くない学生と同様,平時よりも適応度が悪化する。 この結果および新型コロナウイルス流行による活動制限がほぼ撤廃された現状を踏まえて,2023年度には縦断的調査を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度には,新型コロナウイルス流行の影響による大学の活動制限が残存していたことから,出来る限り今後も一般化可能なデータを得るために調査開始を遅らせることとした。その間,本研究の準備段階として得られていた大学生の量的データの分析を実施した。データ分析の結果を踏まえて,2023年度は調査開始予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降,大学生に対する縦断的調査を実施する。このデータからインタビュー対象者を抽出し,インタビューを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,新型コロナウイルス流行が完全に収束していなかったことから,新型コロナウイルスの流行が大学生,特に発達障害特性の高い学生にどのような影響を及ぼしたのかを,準備段階として収集したデータによって検討した。そのため,予定した金額を使用しなかったが,次年度以降計画通り使用していく予定である。
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