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2022 年度 実施状況報告書

二度寝を用いた睡眠慣性抑制法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K03211
研究機関広島大学

研究代表者

林 光緒  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (00238130)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード二度寝 / 睡眠慣性 / 起床時気分 / 夜間睡眠
研究実績の概要

本研究の目的は、睡眠慣性に対する二度寝の効果を検証し、朝、快適に目覚めるための新たな起床方法を開発することである。令和4年度は、起床予定の20分前に起こしたあと、再入眠させ、20分間の二度寝の効果を検証した。
睡眠に問題のない健常な若年成人12名(女性6名、男性6名、平均20.2±1.0歳)が実験に参加した。実験は3夜連続で実施し、参加者の普段の就床・起床時刻に合わせて夜間睡眠をとってもらった。1夜目は順応夜とし、2・3夜目の実験夜では、起床予定時刻20分前にアラームを鳴らす二度寝条件と、起床時刻のみアラームを鳴らす統制条件を実施した。条件の順序は参加者間でカウンターバランスをとった。就床2時間前からPSG測定用の電極装着を開始し、就床15分前にvisual analog scale (VAS)を用いて全般的活力(目覚め、眠気、意欲、疲労)と全般的情動(幸福、悲しみ、落ち着き、緊張)を測定した後、5分間の聴覚単純反応課題を実施した。起床後、OSA睡眠感調査を行った後、起床1分後からVASと聴覚単純反応課題、4分間の休憩をあわせた10分間を1セットとする作業を3セット実施した。
実験の結果、二度寝条件の方が起床時の目覚めが良く、起床後の全般的活力が高く、反応時間も速かった(ps<.05)。つまり、二度寝の効果が確認された。起床20分前の睡眠内容は、統制条件では睡眠段階N2が7.8分出現していたが、二度寝条件では0.3分しか出現していなかった。従来、睡眠段階N1から覚醒するよりN2から覚醒する方が睡眠慣性の影響を強く受けることが報告されている。睡眠慣性は起床時の気分や作業パフォーマンスを悪化させることから、起床20分前に一度覚醒することによって、N2の出現が抑制され、睡眠慣性の影響も抑制することができたものと考えることができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験は順調に実施できた。主観指標と行動指標ともに条件間に有意差が認められ、二度寝の効果を確認することができた。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画どおり、令和5年度は、効果的な二度寝の長さを実験的に検証する。具体的には、起床予定時刻の30分前または20分前に一度覚醒させたあと再入眠させ、30分間と20分間の二度寝の効果を比較検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Effects of using a snooze alarm on sleep inertia after morning awakening.2022

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, K., Ueyama, E., & Hayashi, M.
    • 雑誌名

      Journal of Physiological Anthropology

      巻: 41 ページ: 43

    • DOI

      10.1186/s40101-022-00317-w

    • 査読あり / 国際共著
  • [図書] 快眠研究と製品開発、社会実装2022

    • 著者名/発表者名
      林 光緒 他(著)田中秀樹・岩城達也・白川修一郎(監)
    • 総ページ数
      736
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス
    • ISBN
      978-4-86043-784-8
  • [図書] 健康・医療・福祉のための睡眠検定ハンドブック2022

    • 著者名/発表者名
      宮崎総一郎・林 光緖・田中秀樹(編著)
    • 総ページ数
      397
    • 出版者
      全日本病院出版会
    • ISBN
      978-4-86519-811-9

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公開日: 2023-12-25  

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