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2023 年度 実施状況報告書

ワイル亜群を用いた一般化された量子群の表現論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K03225
研究機関富山大学

研究代表者

山根 宏之  富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (10230517)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードホップ代数 / リースーパー代数 / ワイル亜群 / 一般化された量子群 / ハミルトン閉路
研究実績の概要

一般化された有限ルート系から決まるワイル亜群の有限グラフのハミルトン閉路の存在性を示した。ルート系は元々は複素単純リー代数の分類に使われた。ルート系にはユークリッド内積が入り、その内積に対する反射を利用して抽象ルート系が分類され、それを利用して複素単純リー代数の分類された。リー超代数のルート系(ここではスーパールート系と呼ぶ)は抽象ルート系ではなくて奇反射と呼ばれる反射の下では対称ではない。スーパールート系の一般化として一般化されたルート系の公理がHeckenbergerと山根によって提案された。一般化された有限ルート系の分類はCuntzとHeckenbergerによって実行された。抽象ルート系に対するワイル群が単純反射を生成系とするコクセター関係式で実現される様に、一般化されたルート系に対してワイル亜群が定義され単純反射を生成系とするコクセター関係式で実現される。但し亜群であるので単位元が複数あり単位元ごとにコクセター関係式が異なる。有限ワイル群のケイリーグラフのハミルトン閉路の存在性は他の研究者によってなされている。山根は一般化された有限型量子群に付随する有限ワイル亜群のケイリーグラフのハミルトン閉路の存在性を示した論文を出版した。井上鷹斗と山根は一般化された有限型量子群に付随しない有限ワイル亜群のケイリーグラフのハミルトン閉路の存在性を示したプレプリントを書いた。ランク2のときはそのケイリーグラフはサークルなので明らかにハミルトン閉路は存在する。ランク3のときはMathematicaを直接用いてハミルトン閉路を実際に求めた。ランク4のときはMathematicaを用いながら従来のよく知られた手法でハミルトン閉路を実際に求めた。ランク5以上のときは存在性を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

任意の一般化された有限ルートに対するワイル亜群のケイリーグラフのハミルトン閉路の存在性を証明したプレプリント(プレプリントサーバーarXivに置いた)を書いた。

今後の研究の推進方策

アフィン型の一般化された量子群U(x)の普遍R行列の構成に取り組む。アフィン型の一般化されたワイル亜群W(x)について研究をする。W(x)の基本ウエイトの被約表示ついて研究をする。その被約表示を用いて普遍R行列をBeckの手法で書き下す。一般化された量子群U(x)のLusztig同型はよく知られている。しかしながら、山根が1999年の論文でU(x)がアフィンスーパー量子群に対して示したHopf代数の捩れ化を利用する方法とは異なる方法でLusztig同型の存在性が示された。任意の一般化された量子群U(x)のLusztig同型の存在を捩れ化によって行うことを目的とする。この目的の為にweightに関する無限和が必要であるが、同時にh進位相に関する無限和を考察することも有効だと思われる。

ハミルトン閉路についてはランク5の一般化されたワイル亜群W(x)のケイリーグラフのハミルトン閉路を実際に求めることを目的とする。3連結3正則平面的2部グラフはハミルトン閉路をもつというBarnette予想との関連についての研究をする。

次年度使用額が生じた理由

多忙のため思ったほど出張に行けなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Hamilton circuits of Cayley graphs of Weyl groupoids of generalized quantum groups2023

    • 著者名/発表者名
      YAMANE Hiroyuki
    • 雑誌名

      Toyama mathematical journal

      巻: 43 ページ: 1~76

    • DOI

      10.15099/00022468

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Typical irreducible character formula for generalized quantum groups2024

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Yamane
    • 学会等名
      International Conference "Dualities in Quantum Groups"
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 一般化された有限ルート系のワイル亜群のケイリーグラフおよびハミルトン閉路2023

    • 著者名/発表者名
      山根 宏之
    • 学会等名
      表現論の組合せ論的側面とその周辺
  • [学会発表] ワイル亜群のケイリーグラフのハミルトン閉路2023

    • 著者名/発表者名
      山根宏之(登壇者)、井上鷹斗
    • 学会等名
      2023 日本数学会 秋季総合分科会一般講演
  • [備考] Hiroyuki Yamane's Homepage in University of Toyama

    • URL

      http://www3.u-toyama.ac.jp/hiroyuki/

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公開日: 2024-12-25  

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