研究課題/領域番号 |
22K03249
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
有家 雄介 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50583770)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 頂点作用素代数 / モジュラー微分方程式 |
研究実績の概要 |
今年度は,頂点作用素代数の指標の満たすモジュラー微分方程式に関する研究を行った.前年度に取り扱ったモジュラーロンスキアンについてより詳細に研究を進めた.今年度の主な成果としては,指標がべき級数とは限らない場合,すなわち,対数項をもつ場合に対しても,モジュラーロンスキアンはべき級数となり,Masonにより証明されていたモジュラーロンスキアンをデデキントのエータ関数とモジュラー形式の積として表す公式が成り立つことを証明した.さらに,モジュラーロンスキアンが消えることと指標があるモニックなモジュラー微分方程式の解になることが同値となる,というMasonの定理を指標がべき級数とは限らない場合に拡張することを目指す研究を行った.しかしながら,指標に対数項が現れることから,モジュラーロンスキアンのべき級数展開の最低べきを決定することが困難になるため,Masonの証明をそのまま適用することができないことが明らかになった.現在のところ,対数項の次数がある程度大きい場合にのみ証明を与えることができたが,それ以外の場合については現在研究を進めている途中である.
また,頂点作用素超代数の指標についても,そのモジュラーロンスキアンに関する研究を行い,通所の代数の場合と同様に,指標が対数項を持つ状況でも,モジュラーロンスキアンの表示に関する結果を証明することができた.こちらの場合に関しても,ロンスキアンと微分方程式の解との関係に関する予想を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時点では想定していなかった指標が対数項を持つ場合にもこれまでの手法が適用できることが明らかになりつつあり,当初の予定を超えて研究を進めることができることが期待されるため.
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今後の研究の推進方策 |
前年度までで解決できなかった,モジュラーロンスキアンとモジュラー微分方程式の関係についての問題を解決するための研究を行い,さらに階数を固定した微分方程式の解とヴィラソロ代数の指標の関係についての考察を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
未使用額が生じた理由は,当初の予想を超える成果が得られたため,図書の購入および旅費の使用計画を修正したためである.
未使用額は,研究を進めるうえで必要となる図書の購入と,これまでに得られた研究成果を研究会などで発表するための旅費に使用する.
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