研究課題/領域番号 |
22K03807
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
旭吉 雅健 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (30342489)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 多軸 / クリープ / 疲労 / 寿命評価 |
研究実績の概要 |
脱炭素社会の実現や熱機関の高効率化のために,火力発電プラント等の高温機器では,現在よりもさらに高温高圧の環境下での使用や,短周期での稼働と停止の繰返しが要求される。実機では,複雑な応力状態で,繰返し回数依存型の「疲労」損傷と,負荷時間依存型の「クリープ」損傷が重畳されることから,高温機器の安全設計や経年劣化対策のためには,構造材料の高温多軸「クリープ疲労」損傷を精度良く評価する手法が不可欠である。本研究課題では,実機でのすべての応力状態を模擬するために,ミニチュア十字型試験片を用いた多軸クリープ疲労試験手法を提案して,高精度な寿命評価式を開発することを目的とする。 上述した課題の解決のために,ミニチュア十字型試験片での多軸クリープ疲労試験の基礎技術を確立することが重要であるが,初年度は,100 mmサイズの十字型試験片を設計した。具体的には,有限要素法解析で標点部の均一な応力状態を達成できる最適な形状および寸法を求めた。機械加工技術検討を経て,オーステナイト系ステンレス鋼の試験片を作成した。 2年目は,高温環境でのクリープ疲労試験を実現するために,高周波誘導加熱装置を取り入れて,650℃までの高温試験環境を構築した。試験温度条件とする600℃では,標点部内の温度分布は1%以下に制御することができた。また,標点部外では標点部に比べて100℃程度温度が低く,このことから,高温クリープ疲労試験中は,標点部のみが目的の温度に加熱されて,それ以外では損傷等に伴う異常破断は起こりにくいと推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年目の前半終了頃までには,試験片に変位計を取付けた制御方法(ひずみ制御式)での動作検証を予定していたが,その変位計に機械的不具合を生じた。したがって,ひずみ制御での疲労試験を行うことができずに,変位計無しでの荷重制御式条件で,高温環境での多軸試験の基礎動作を検証した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,変位計の動作検証を最優先課題とする。その技術課題が解決した後に,高温環境でのひずみ制御式クリープ疲労試験に取り組む。予備試験を経て,オーステナイト系ステンレス鋼の系統的な多軸クリープ疲労試験データの蓄積を図る。取得した高温多軸クリープ疲労試験の寿命データや特性データの詳細解析によって,高精度な寿命評価式を構築する。
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