研究課題/領域番号 |
22K04701
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
赤津 隆 東京工科大学, 片柳研究所, 教授 (40231807)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ナノインデンテーション / 熱応力 / 残留応力 / 弾性率 / 降伏応力 / 有限要素法 |
研究実績の概要 |
本研究ではコンピュータサイエンスを活用し、様々な状況下におけるインデンテーションをシミュレーションすることにより、局所領域の力学特性評価法であるナノインデンテーション法の適用範囲の拡大を目指すことを目的としている。令和5年度は、等2軸予応力を受ける固体に、その応力と垂直にインデンテーションを行った場合、等2軸予応力がインデンテーションに及ぼす影響を定量的に調べた。これは、基板上の薄膜に対し、基板との熱膨張ミスマッチにより薄膜に生じる熱応力を想定したものである。その結果、ナノインデンテーションで得られる弾性率と降伏応力は等2軸予応力によって大きく変化することが分かった。弾性率は3次元のHooke則、降伏応力はMises応力を考慮することでその変化を説明することができることを明らかにした。等2軸応力が表面変形(sinking-inやpiling-up)には大きく影響しないことが分かった。薄膜のような平面応力近似が成立する上で、等2軸予応力方向と平行な方向からのインデンテーションも併せて行うことができれば、等2軸応力を推定できることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は粘弾性体、令和5年度は等2軸予応力を受ける固体、と通常のナノインデンテーション法では解析できない問題に対し、力学特性を導出する新たな解析方法を提案できた。このとこによって、局所領域の力学特性評価法であるナノインデンテーション法の適用範囲を拡大することができた。ほぼ計画通りに進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのナノインデンテーション解析法は対象が均質等方体であることを前提としている。しかし、局所領域において、均質等方近似が成立する可能性は、通常低くなる。令和6年度は弾性率に異方性がある固体へのインデンテーション挙動の解析に取り組む。このことにより,例えば多結晶体中の1つの結晶粒子に対するインデンテーション挙動のようなものでも、解析可能になることが期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通り予算執行したが、405円だけ次年度使用額が生じた。令和6年度の研究費と合わせ物品費等で使用する予定である。
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