研究課題/領域番号 |
22K04992
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
明午 伸一郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主席 (80354728)
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研究分担者 |
安部 晋一郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (00727373)
岩元 洋介 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, マネージャー (10391327)
中野 敬太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (10883514) [辞退]
吉田 誠 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (70379303)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | はじき出し断面積 / 430 GeV陽子 / PHITS / NRTモデル / arc-dpaモデル / 原子あたりのはじき出し数(dpa) / 金属 |
研究実績の概要 |
世界中で単位面積あたりの陽子の数を多くした(大強度化)、数百GeVオーダーの超高エネルギーの陽子ビームを用いた素粒子物理施設の建設が計画されている。しかし、ビーム標的や構造材等の交換頻度などを決定する、材料の寿命評価に必要な照射孫総量の計算モデルの検証・改良に必要な、原子弾き出しの起こしやすさを表す「弾き出し断面積」測定データが全くない。そこで、これまで我々が開発した極低温照射装置を活用して、欧州原子核研究機構(CERN)において、440 GeV陽子照射による様々な金属などの弾き出し断面積を測定し、我々独自の照射損傷モデルを440 GeVの超高エネルギー領域に発展させるのが本研究の目的となる。
令和4年度では、CERNの照射施設(HiRadMAT)の研究者等とリモート会議による月に一回の定期的な議論を行い、詳細な実験準備を進めた。実験準備としては、実験に用いる真空チェンバ―はCERNの別の研究者が所有するものを大幅な改造なしに使用できることを再確認した。ただし、試料冷却用の銅製のプレートが必要となることが判明したため、実験に用いる銅プレートについて詳細設計と製作を行った。また、試料の抵抗測定に必要な機器は、我々が所有するものをそのまま利用できることが判明したが、校正が必要であったためこれを実施した。さらに、CERNの研究者との議論により、実験に用いるケーブルや試料位置などに関する詳細な条件を検討した。また、実験における安全検討を行い、着実な準備を進める事ができた。ビームを用いた実験は、令和6年度(2024年4月以後)に実施予定となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
詳細な実験準備をほぼ予定通りに進めることができた。また、実験に用いる冷却用の銅プレートを予定通り製作すること事ができた。 以上より、本研究課題はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には、CERNのHiRadMatに行き、現場の確認を行うとともに、現地の研究者と予定している実験に関して議論する。その後、実験に用いる試料の準備などを行い、CERNに実験機器を輸送する予定となる。令和6年度にはHiRadMatにおいて、実験を行う予定となる。航空券の高騰に伴い、できるだけ製作費などの出費を抑えた計画が重要となり、これに努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
円安やウクライナ・ロシア間の戦争などにより、CERNに渡航するための航空券が高騰したため、CERNの研究者との議論で問題ない範囲でなるべく製作費を抑えた計画に変更した。このために、次年度の使用額が生じてしまった。また、実験を問題なく遂行するためには、実験以前に現地の確認が重要なため、次年度使用額は、令和5年度に現地を訪ねるための出張に伴う旅費として使用する予定である。
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