研究課題/領域番号 |
22K05774
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
杉元 倫子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (20353732)
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研究分担者 |
高田 依里 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50806833)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 木材化学 / 代替分析法 / エタノール/ベンゼン抽出 / アルカリ性ニトロベンゼン酸化法 / Wet Chemistry |
研究実績の概要 |
本研究では、木材化学分析の初段となる、エタノール/ベンゼン抽出法を代替する抽出法の開発(課題1)、アルカリ性ニトロベンゼン酸化法を代替するリグニン芳香核分析法の開発(課題2)に取り組んでいる。 課題1では、スギ材に加えて、今年度新たにミズナラ材とコナラ材を加えた3種を用いて代替抽出溶媒の候補を検討した。その際、前年度の結果を踏まえ、使用制限・環境負荷がより少ないと考えられる新たな代替溶媒についても、候補に追加した。結果、昨年度候補に挙げたメタノール系の混合溶媒(メタノール/トルエン)に加え、メタノール単独や熱水による抽出も代替となり得ることを明らかにした。またミズナラ材やコナラ材は極性の大きな溶媒ほどその抽出物量も多いことから極性の大きな化合物を多量に含んでいることが示唆された。一方でスギ材は低極性の溶媒でも相当量の抽出物が得られており、ミズナラ材やコナラ材よりも多様な極性を有する化合物が含まれることが明らかとなった。さらに、メタノール/トルエン、メタノール単独による脱脂試料のクラーソン分析を行い、常法であるエタノール/ベンゼン脱脂試料でのリグニン量と比較した結果、ミズナラ材とコナラ材では1%以上低いリグニン量が算出され、常法ではリグニン量を過大評価している可能性が示唆された。 課題2については、反応後の生成物定量体制を整えたものの、計画している条件で反応を行える実験装置の準備に難航している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題1については順調に進展しているが、課題2においては研究実績の概要に書いた通り、反応装置の目処は立っているものの、実験データの取得に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
課題1については、候補となっている代替溶媒に対し、さらに材の種類を増やして検討すると共に、その脱脂試料を用いてクラーソン分析を行い、エタノール/ベンゼン抽出よりも取り扱いが容易で且つ後段の化学成分分析に対する結果の信頼性も高い代替溶媒を明らかにすることを取り組む。 課題2については、調製済みサワラ木粉などの針葉樹材で、結果の再現性を確認しつつ、リグニン芳香核由来の反応生成物を高い収率で得られるような反応条件の検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、参加および発表を検討している2学会共に、数年に一度の国際学会の開催年となっていることが判明した。そのため、オンライン開催により使わなかった初年度の旅費は、こちらに使用することを考えている。 人件費については、主に課題1に関して依頼したい(分業したい)作業が想定されており、次年度に引き続き人件費として使用予定である。 物品費の繰り越しは、今年度は手持ちの反応容器で検討したが、次年度更新の可能性もあるため、引き続き物品費として使用予定である。
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