研究課題/領域番号 |
22K05980
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永田 矩之 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (80897786)
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研究分担者 |
池中 良徳 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (40543509)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | クッシング症候群 / 遺伝子多型 / ステロイドプロファイル / 多様性 / 副腎皮質機能亢進症 / 犬 |
研究実績の概要 |
犬のクッシング病の臨床的多様性を規定する因子を探索するため、本年度はステロイドホルモン関連遺伝子のうちグルココルチコイド受容体の遺伝子多型を解析した。 クッシング病の犬を含む13頭の犬の血液からゲノムDNAを抽出し、グルココルチコイド受容体(NR3C1)遺伝子の各エクソンを増幅するプライマーを使用してPCR法で増幅した。増幅したPCR産物のシーケンスを、サンガー法を用いて解析した。 得られたデータをリファレンス配列と比較したところ、2つの多型がみつかったが、これらはいずれも既知の多型であった。一方、1つの多型は海外の報告ではヘテロ接合型のみ報告されているが、今回ホモ接合型を持つ個体がみつかり、地域や犬種による違いが示唆された。また、これまでに確立した尿中のステロイドホルモン分析法を用いて、クッシング病の犬の各ステロイドホルモン/クレアチニン比を測定した。クッシング病の犬では、コルチゾールだけでなく様々なステロイドホルモンが尿中で上昇していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はグルココルチコイド受容体の遺伝子多型の解析を行ったが、その他の遺伝子については多型解析の条件設定に時間を要しており着手できていない。一方、血中および尿中ステロイドホルモンの分析法はすでに確立できており、臨床例における解析も進んでいる。また、クッシング病の治療中に稀な副作用である副腎壊死を認めた犬について国際誌への発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
健康犬と臨床症例の遺伝子多型の解析を進めるとともに、血中および尿中ステロイドホルモン分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子多型解析に関する条件設定に時間を要しており、解析を実施できなかったため次年度使用額が生じた。条件設定の完了次第、遺伝子多型解析を進める予定である。
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