研究課題/領域番号 |
22K06816
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
秋元 義弘 杏林大学, 医学部, 教授 (60184115)
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研究分担者 |
宮東 昭彦 杏林大学, 医学部, 准教授 (80255398)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アクチン / 糖修飾 / O-GlcNAc / リン酸化 / 腎糸球体 / 核 |
研究実績の概要 |
アクチンのリン酸化部位は35カ所あり、そのうちTyr53とThr201-203のリン酸化はアクチンフィラメントの伸長の制御に関与することが知られている。これに対して糖修飾(O-GlcNAc化)部位は6ヶ所あり、そのうち3ヶ所(Ser52, Ser199, Ser323)はリン酸化部位と一致している。しかし、これらの部位の糖修飾が、アクチンの機能調節にどのように関与しているについては不明である。前年度、糖修飾アクチンの核内における役割について調べる目的で、糖修飾(O-GlcNAc化)Ser199アクチン抗体と核内構造体に対するマーカータンパク質抗体を用いて、核内のどこに局在するかを検討した。その結果、ラット腎糸球体の核において糖修飾アクチンが核スペックルに局在するserine and arginine rich splicing factor 3 (SRSF3)と共局在していることが明らかにした。今年度は、この結果をもとに、リン酸化Ser199アクチンの核内における局在を調べ、糖修飾アクチンの局在と比較する目的で、リン酸化、糖修飾 Ser199アクチン抗体と核内構造体に対するマーカータンパク質抗体を用いて、免疫組織化学的方法によりリン酸化、糖修飾アクチンが核内構造体の局在するかを検討した。その結果、ラット腎糸球体の足細胞およびその培養細胞においてリン酸化Ser199アクチン並びに糖修飾Ser199アクチンが核スペックルに共局在していることが明らかになった。 さらに糖修飾アクチン、リン酸化アクチンと相互作用する核内タンパク質の同定することを目的に、核画分タンパク質を、修飾アクチン抗体を用いて免疫沈降を行った。そのタンパク質を電気泳動にて分離、このタンパク質を含むバンドをゲルから切り出し、マススペクトロメトリーにより同定した。これによっていくつかのタンパク質が同定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
糖修飾、リン酸化アクチンの核内における局在を詳細に検討するため、免疫電子顕微鏡法によって解析する予定であったが、当施設に設置された電子顕微鏡およびCCDカメラが老朽化により、故障がおきて修理が必要になった。しかし、当機種はすでに保守の保証期間を過ぎているため、部品の在庫がなく、その調達に時間がかかり、その間研究を進めることができなかった。これによって計画より遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続き、糖修飾アクチン、リン酸化アクチンと相互作用する核内タンパク質の同定することを目的に、核画分タンパク質を、修飾アクチン抗体を用いて免疫沈降を行う。そのタンパク質を電気泳動にて分離する。このタンパク質を含むバンドをゲルから切り出し、マススペクトロメトリーにより同定する。これによって同定されたタンパク質から、修飾アクチンの核内での機能について推測する。 培養細胞を糖修飾またはリン酸化阻害剤存在下で培養することにより、アクチンへの修飾を変化させ、核内でアクチンフィラメントが形成されるかを光顕、電顕レベルで検討する。 さらに糖修飾アクチン抗体、リン酸化アクチン抗体、非修飾抗体を核内に導入することにより、核内にアクチンフィラメントが形成されるかどうかについて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫電子顕微鏡による検討が予定通りにできなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、引き続き免疫電子顕微鏡による詳細な局在の検討を行う。さらにアクチンのアミノ酸配列の中で糖修飾とリン酸化の修飾が同じセリン残基で起こる3ヶ所の部位のうち、別の部位の糖修飾・リン酸化Serアクチンに対する抗体を作製して実験を行う。
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