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2022 年度 実施状況報告書

肺がん背景肺に潜むゲノム・エピゲノム異常の徹底的マッピングによる発がん機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06935
研究機関旭川医科大学

研究代表者

谷野 美智枝  旭川医科大学, 医学部, 教授 (90360908)

研究分担者 湯澤 明夏  旭川医科大学, 医学部, 講師 (20899702)
小山 恭平  旭川医科大学, 医学部, 講師 (00818479)
水上 裕輔  旭川医科大学, 医学部, 教授 (30400089)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード間質性肺炎 / 特発性肺線維症 / 肺癌 / エピゲノム解析 / 遺伝子解析
研究実績の概要

特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis, IPF)の患者では肺癌の発生率が高く、IPFを伴わない肺癌と比べて予後が有意に不良である。IPF合併肺癌のなかで最多の組織型である扁平上皮癌症例を対象とし、組織標本を用いて形態学的評価(過形成、異形成、上皮内癌、浸潤癌)及び免疫組織化学染色を行った。
IPFを伴う肺扁平上皮癌5症例および、IPFを伴わず肺気腫やIPF以外の間質性肺炎を伴う肺扁平上皮癌18症例を解析対象として選定した。また、肺癌の診断または予後のマーカーとして有用性が報告されているメチル化解析のターゲット遺伝子を文献から検索し、そのなかから免疫組織化学染色の抗体が確立しているCDH13、CDKN2A、RASSF1を選定した。それらの免疫組織化学染色条件を検討し、対象症例において腫瘍部・非腫瘍部を含む代表的な箇所で免疫組織化学染色を実施した。多くはCDH13が発現し、CDKN2A・RASSF1の発現は消失していたが、一部の症例では異なる発現パターンを示した。
エピゲノム解析手法の検証として、ヒト肺原発扁平上皮癌の細胞株であるEBC-1を培養してDNAを抽出し、メチル化の定量解析実験を行った。バイサルファイト処理したDNAからリアルタイムPCRによる定量解析の系を立ち上げている。臨床検体は、免疫組織化学染色を実施した腫瘍部および腫瘍周囲の非腫瘍部や、腫瘍から離れた背景肺からDNAを抽出した。確立した測定系を用いて、臨床サンプルにおけるメチル化の定量解析を実施し、免疫組織化学染色結果との検討、臨床因子との比較検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞株を用いて確立した測定系を用いて、臨床サンプルにおけるメチル化の定量解析を実施中であり、概ね順調と考える。
免疫染色はおおむね終了しており、概ね計画は順調と考える。

今後の研究の推進方策

確立した測定系を用いて、臨床サンプルにおけるメチル化の定量解析を実施し、免疫組織化学染色結果との検討、臨床因子との比較検討を行っている。今後はさらに症例数を増やすと共に、遺伝子情報を確認し、形態、ゲノム、エピゲノム情報からIPFにおける腫瘍発生のメカニズムを解析予定である。

次年度使用額が生じた理由

症例解析をする前の細胞株を用いたメチル化解析測定系に時間を費やした。次年度は確立した系を用いて症例解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 間質性肺疾患の病理診断2022

    • 著者名/発表者名
      谷野美智枝
    • 雑誌名

      日本内科学会誌

      巻: 111 ページ: 1132-1138

    • 査読あり
  • [図書] 肺癌 第二版2022

    • 著者名/発表者名
      谷野美智枝他
    • 総ページ数
      359
    • 出版者
      文光堂
  • [図書] 非腫瘍性疾患病理アトラス 肺2022

    • 著者名/発表者名
      谷野美智枝他
    • 総ページ数
      437
    • 出版者
      文光堂
  • [備考] 旭川医科大学病院 病理部

    • URL

      asahikawa-patho.net

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公開日: 2023-12-25  

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