• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

膵癌高危険群における膵液中マイクロRNAとエピゲノム解析による早期診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K07275
研究機関金沢大学

研究代表者

大坪 公士郎  金沢大学, 附属病院, 講師 (60361987)

研究分担者 三宅 邦夫  山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60550712)
山下 要  金沢大学, 附属病院, 助教 (80456425)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード膵癌 / 膵液 / 早期診断 / miRNA / メチル化
研究実績の概要

膵癌は5年生存率が10%未満と報告され、最も予後不良な難治性がんであり、その要因として早期診断が極めて困難であることが挙げられる。
現在までの我々の検討では、良性膵胆道病変と比較して、胆汁では膵癌、胆道癌においてmiR-200a, 200b, 1247のメチル化が、血漿では胆道癌においてmiR-1247のメチル化が有意に増加しているとの知見を得ている。今回膵癌の早期診断を目的として、各種膵疾患における膵液を用いたmiRNAのメチル化異常につき検討を行った。
膵癌10例:Stage 0 6例、IA 1例、IIA 1例、IIB 2例 (UICC 8th))、PanIN (low grade) 2例、IPMN (low~intermediate grade) 4例、良性膵病変25例、計41例から内視鏡的経鼻膵管ドレナージ (ENPD) にて膵液を採取した。胆汁での検討にて良性膵胆道病変と比較して、膵癌、胆道癌にて有意にメチル化の増加を認めたmiRNA (miR-200a, 200b, 1247) につき、メチル化の定量的解析を行った。
miR-1247においては8か所のCpGサイトを設定したが、そのうちの1か所のCpGサイトにおいて、良性膵病変と比較して膵癌にてメチル化の増加傾向がみられた。また、別の1か所のCpGサイトにおいては、PanIN/IPMNにて有意にメチル化の増加とともに膵癌にて増加傾向を認めた。なお、miR-200a, 200bについては、良悪性間でメチル化に有意差を認めたCpGサイトはみられなかった。
現時点では少数例での検討ではあるが、画像や病理検査のみでは良悪性の鑑別が困難な膵疾患において、miRNAのメチル化異常は有用な補助診断になる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当院、他院からの膵液の収集及びmiRNAの解析に関しては、概ね順調に進んでいるため。

今後の研究の推進方策

今後さらに症例数を増やして膵液におけるmiRNAのメチル化の解析を行う予定である。
さらに、miRNAのメチル化を検討した症例において、膵癌において高頻度に遺伝子異常が認められる4遺伝子 (KRAS, TP53, CDKN2A, SMAD4) の異常についても解析し、両者を比較検討することにより、膵癌早期診断能の更なる向上が可能かについても検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

今後さらに多くの症例から収集した膵液を用いてmiRNAの検討を予定しているが、miRNAの解析は48検体/回可能であり、多数の症例をまとめて解析した方が効率的と考えられる。
そのため、症例が一定数揃ってから解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 内視鏡的経鼻膵管ドレナージによる膵液を用いた膵疾患におけるmiRNAのメチル化異常の検討2022

    • 著者名/発表者名
      大坪公士郎
    • 学会等名
      第108回日本消化器病学会総会
  • [学会発表] 各種リキッドバイオプシーを用いた膵胆道疾患におけるmiRNAのメチル化異常の検討2022

    • 著者名/発表者名
      大坪公士郎
    • 学会等名
      第104回日本消化器内視鏡学会総会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi