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2022 年度 実施状況報告書

脳腸相関におけるイノシトール・ポリリン酸の役割

研究課題

研究課題/領域番号 22K07379
研究機関東海大学

研究代表者

永田 栄一郎  東海大学, 医学部, 教授 (00255457)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードイノシトール6リン酸キナーゼ / 脳腸連関 / 細胞内伝搬 / イノシトール7リン酸
研究実績の概要

生体内のイノシトール6リン酸(IP6)、7リン酸(IP7)は、中枢神経以外に、腸管、特に腸管神経叢に多く分布している。また、IP6をIP7にリン酸化する酵素であるIP6キナーゼ(IP6K)欠落が細胞内異常たんぱく質凝集体の形成を阻害して、細胞間伝搬を阻害する。神経変性疾患の中枢神経系でIP6K活性の上昇によりIP7が増加し、神経細胞死を誘導していることより、中枢神経系と腸管系のIP6、IP7、IP6Kとの関連を検討することにより、神経変性疾患における細胞内異常たんぱく質凝集体の腸管迷走神経より、中枢神経系、さらには脳内神経細胞への細胞間伝搬の可能性につき検討する。
本年度は、異常αシヌクレイン凝集体をマウス脳内の淡蒼球に注入するためのマウス頭部固定装置、注入装置などを購入し、セットアップを行い、wildマウスを用いたプレ実験は成功している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究に必要なマウス用の機器をそろえることができ、予備実験も順調に行っているので、間もなく本番のIP6K2ノックアウトマウスなどを使用する実験に取り掛かる予定であるが、ノックアウトマウスの供給状況が、交配をしているが、中々生育してこないのが現状である。

今後の研究の推進方策

今後IP6K2ノックアウトマウスを用いて、脳内へ異常αシヌクレインを注入して、その脳内への拡散、伝搬様式をwildマウスと比較する。さらにwildマウス、IP6K2ノックアウトマウスの十二指腸の筋層にこの異常αシヌクレイン凝集体を注入して、迷走神経を介して脳内に伝搬してく様式を検討する。更に迷走神経切断による異常αシヌクレインの挙動も観察する。

次年度使用額が生じた理由

購入予定の機器が、工夫することにより予想外に新規に機器を購入せずに、もとからある機器で代用できたため。また、練習用に脳内αシヌクレイン注入マウスを購入予定であったが、手技をわりと早くに取得できたために必要がなくなった。
wildマウスの購入やマウスの飼育・繁殖代、および試薬やキットなどの消耗品の購入を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Inositol pyrophosphate profiling reveals regulatory roles of IP6K2-dependent enhanced IP7 metabolism in the enteric nervous system2023

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Ito, Natsuko Fujii, Saori Kohara, Shuho Hori, Masayuki Tanaka, Christopher Wittwer, Kenta Kikuchi, Takatoshi Iijima, Yu Kakimoto, Kenichi Hirabayashi, Daisuke Kurotaki, Henning J Jessen, Adolfo Saiardi, Eiichiro Nagata
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 299 (3) ページ: 102928

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2023.102928.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 哺乳類におけるイノシトールピロリン酸の組織分布解析2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤誠敏、永田栄一郎
    • 学会等名
      NEURO2022

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公開日: 2023-12-25  

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