研究課題/領域番号 |
22K07646
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
久原 重英 杏林大学, 保健学部, 非常勤講師 (60781234)
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研究分担者 |
竹内 純一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (80432871)
天沼 誠 杏林大学, 保健学部, 教授 (10212565) [辞退]
横山 健一 杏林大学, 医学部, 教授 (20383680)
芝生 春菜 杏林大学, 保健学部, 助教 (20784606)
遠藤 祐太 杏林大学, 保健学部, 助教 (80845016)
小林 邦典 杏林大学, 保健学部, 非常勤講師 (90723867)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Cardiac MRI / Cine MRI / whole heart CMRA / stationary period / Deep learning / CNN / object detection / SSD |
研究実績の概要 |
2023年度はフェーズ2として 1) 冠動脈静止期間自動抽出技術の②静止期間自動判定技術に関する研究を中心に検討を進めた。①検出した冠動脈の位置から、隣り合う画像間での冠動脈の移動量を求めることで、冠動脈の動き曲線を取得し、次に②得られた動き曲線から、深層学習を用いて静止期間を求める。2023年度は②の手法として、左右の冠動脈の静止期間を同時に検出可能な、タイムドメインセグメンテーション法を提案し評価を行った。Neural Networkのトレーニングには、操作者が判定した静止期間を教師データとして用いて行い、得られた結果は、左右個々に正解の静止期間と比較することで精度の評価を行った。その結果、従来の閾値処理による方法に比べ、より人の判断に近い結果となった。 これらの成果の一部はISMRM (International Society for Magnetic Resonance in Medicine )にて発表した。また、提案手法ではU-netをベースとして用いたが、他のNeural Network構造を用いた場合との比較を行った。さらに、フェーズ3の予備検討として、超解像を用いたWhole-Heart CMRA (Coronary Magnetic Resonance Angiography)の画質UPに関する基礎検討を行った。 上記に加え、世界的な半導体不足等により様子見していた計算機の導入も進め、計算機環境の整備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度実施予定の、②静止期間自動判定技術に関しては、左右の冠動脈の静止期間を同時に検出可能な手法の提案や、国際学会での発表等、一定の成果が得られた。しかし、最終年度のフェーズ3に向けて、さらにCine MRIやWhole-Heart CMRAのデータ収集を進める予定であったが、COVID-19 が完全には収束せず、年間を通して増減を繰り返した影響もあり、解析・評価に必要なデータ収集の点では、やや遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、フェーズ2で検討した技術内容の完成度を上げると共に、やや遅れているデータ収集を順次進め、フェーズ3として超解像技術を用いたWhole-Heart CMRA の画質UPに関する検討を行い、冠動脈静止期間自動抽出技術と超解像技術による高精細冠動脈MRA撮像技術の完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的な半導体不足等のため2022年度度は様子見していた計算機の導入を、2023年度に実施し計算機環境の整備を行ったことで、前年度未使用額の大部分を支出実績として達成できた。しかし、COVID-19が完全に収束しない影響等によるデータ収集の遅れのため、データ収集時に必要なECG電極等に関する未使用額が次年度未使用額として生じた。2024年度はデータ収集を順次進めると共に、学会参加費・旅費の発生も生じるため、予定通り使用できる見込みである。
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