研究課題/領域番号 |
22K07659
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
尾池 貴洋 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10643471)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 放射線感受性 |
研究実績の概要 |
がん放射線治療をさらに個別最適化するためには普及型光子線治療に抵抗性を示す症例を診断時に同定し、粒子線治療など強度の高い治療モダリティへ層別化する必要がある。近年、プレシジョンメディシンが化学療法領域で急速に普及しつつあるが、遺伝子パネル検査はいまだに高価かつ用途が限定的なことから放射線治療臨床への速やかな導入は現実的でない。一方、近年の技術革新によりがん細胞中の微小代謝産物プロファイル (メタボローム)の高精度かつ安価な解析が可能となった。以上から、本研究は、臨床の根治的放射線治療コホートの解析と独自に開発したがん細胞放射線感受性データベースを活用した解析を組み合わせたリバース・トランスレーショナルリサーチにより放射線治療抵抗性を予期するメタボロームを同定することを目的とする。具体的には、前向きに集積済の子宮頸癌・根治的放射線治療症例80例の治療前腫瘍検体をLC-MS/MSで解析しメタボロームを同定する。機械学習を用いて同コホートの治療成績を予期するメタボロームを抽出する。独自に開発したCCLE収載がん細胞株の放射線感受性データベースとCCLEが公開する メタボロームデータを関連解析し②で抽出したメタボロームの科学的蓋然性を検証する。培養細胞実験をおこない②で抽出したメタボロームの科学的蓋然性を最終確認する。研究初年度のR4年度は前向きに集積済の子宮頸癌・根治的放射線治療症例10例の治療前腫瘍検体をLC-MS/MSで解析しメタボロームを同定した。結果、腫瘍検体由来メタボロームの定量性が乏しい可能性が示唆されたため、血液検体も並行して解析した。同メタボロームを照射中の腫瘍縮小率や局所再発などの臨床情報と関連解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
以下を予定通り進める。 ・機械学習などを用いて同コホートの治療成績を予期するメタボロームを抽出する。 ・独自に開発したCCLE収載がん細胞株の放射線感受性データベースとCCLEが公開するメタボロームデータを関連解析し抽出したメタボロームの科学的蓋然性を検証する。 ・培養細胞実験をおこない抽出したメタボロームの科学的蓋然性を最終確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗に応じて消耗品購入タイミングが若干遅れた。当該費用はR5年度に使用する。
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