研究課題/領域番号 |
22K07721
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
粟井 和夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294573)
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研究分担者 |
福本 航 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (00726870)
大下 慎一郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (50508132)
川下 郁生 広島大学, 医系科学研究科(医), 共同研究講座准教授 (70309657)
檜垣 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (80611334)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 胸部CT / 肺野病変 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本年度は、167名のCOVID-19患者のCTスキャンで肺病変を抽出(セグメンテーション)する深層学習アルゴリズムを開発した。まず、肺画像について放射線診断専門医により肺全体とCOVID-19肺炎の範囲についてアノテーションを行い、これを正解画像とした。次にUNet(バックボーンEfficientNet-B3)を使用し、167人のCOVID-19患者のうち129人(77.2%)をトレーニングデータセットに、17人(10.2%)をチューニングデータセットに、21人(12.3%)を評価データセットに含めた。体積の各軸スライスをモデルに入力し、推論時にはスライスごとの予測値を連結し、全容積の予測値を生成した。モデルは、Adamオプティマイザーを用いて50エポック学習した。学習率は3e - 4から始め、検証損失プラトーで0.1ずつ減少させた。学習時にはランダムなデータ拡張を適用し、垂直・水平反転、ランダムな回転、ランダムな輝度コントラスト(輝度制限=0.1、コントラスト制限=0.1)、ガウスブラーを行った。セグメンテーションの精度評価としては、肺全体の自動セグメンテーションと注釈付きセグメンテーションの間、肺病変の2つのセグメンテーションの間、2つのセグメンテーションとCTスキャンの病変比率の間の平均絶対誤差を算出した。その結果、肺全体、肺病変、自動抽出部と医師のアノテーション部分の間のMAEは、それぞれ0.8%、25.5%だった。以上より、本アルゴリズムは,COVID-19患者の肺全体を正確に抽出した。CT画像上の肺病変の同定の医師との誤差は約25%以内であったが、最も広く使われている半定量化法は25%刻みで分類されるためその精度は実用範囲内と考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最初の課題である肺領域の自動抽出については非常に正確に実行できるソフトウェアを開発できた。肺病変部の同定については実用範囲内まで達した。以上より一年目の目標は概ね達成したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、肺病変の抽出精度の向上および肺病変の性状分析について機械学習により進める。病変の性状については、教師あり学習および教師なし学習(機械学習による自動分類)を比較し、その双方の利点を分析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新型コロナ感染症が完全に収束していなかったため予定した海外出張を中止したために次年度使用額が生じた。次年度は海外出張に使用するとともに、解析用のPCのデータ保存媒体を購入し、データ保存を増強したいと考えている。
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