研究課題/領域番号 |
22K07741
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
扇田 真美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60779784)
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研究分担者 |
山下 英臣 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70447407)
野沢 勇樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00836918)
今江 禄一 東京大学, 医学部附属病院, 副診療放射線技師長 (80420222)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 乳癌 / 放射線治療 / 寡分割照射 / IMRT |
研究実績の概要 |
リンパ節転移を伴う乳癌において、術後の領域リンパ節を含む放射線治療は再発と乳癌死を減少することが示されていて、標準治療として広く実施されている。しかしながら、通常分割照射は平日連日の約1ヶ月半の通院を必要とし、患者にとっての通院負担が大きく、また左乳癌の治療ではリンパ節領域を含むことによって心臓線量が増加し、心臓の有害事象が懸念される。これらの問題点を解決するため、IMRT併用科分割照射を提案した。本研究では、領域リンパ節を含む左乳癌術後放射線治療におけるIMRT併用寡分割照射の有効性と安全性を解明することと、IMRT施行時の課題となる呼吸性移動・位置誤差の影響を検討することを目的としている。 本年度は前向き臨床研究立案の準備として、当院でこれまでにリンパ節領域を含む乳癌術後放射線治療を通常分割のIMRTと3D-CRTで行った症例をそれぞれ収集し、遡及的に解析を行った。両群のターゲットとリスク臓器の線量と有害事象、治療効果を両群間で比較をした。IMRT群は3D-CRT群よりも急性期の皮膚有害事象が少なく、良好な治療成績であることが明らかとなった。この結果を論文化し、現在論文投稿を行っている途中である。 また、付随研究としてIMRTを用いることで、リンパ節領域を含む乳癌術後照射におけるリスク臓器の線量低減がより有効である対象についての検討を行い、ヨーロッパ放射線腫瘍学会で学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前向き臨床研究の立ち上げ前に、通常分割のIMRTと3D-CRTの結果をまとめることは当初から予定していて、予定通り結果をまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に領域リンパ節を含む左乳癌術後放射線治療におけるIMRT併用寡分割照射前向き臨床研究を立ち上げ、同時に呼吸性移動・位置誤差の影響の検討を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度中に前向き臨床研究を開始する予定であったが、次年度に行うこととなったため、本年度の予算を次年度に持ち越すこととなった。次年度の臨床研究開始に必要な費用(倫理審査費用など)に使用していく予定である。
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