• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

心不全におけるBNP、ANP前駆体の分泌調節不全の機序解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08099
研究機関京都大学

研究代表者

中川 靖章  京都大学, 医学研究科, 助教 (70452357)

研究分担者 桑原 宏一郎  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30402887)
錦見 俊雄  京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (80291946)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードBNP / 遺伝子改変マウス / 糖鎖修飾
研究実績の概要

本申請研究では、心血管病における生体内におけるナトリウム利尿ペプチド(以下NPと略)前駆体の病態生理学的意義について検討すると共に、糖鎖修飾機序を含むその分泌調節機序に基づいた、内因性NP作用の増強を狙った心疾患の新規治療法の開発を目的としている。
本年度は、前年度に作成し、血中でヒトBNPを検出することが出来た心筋特異的ヒトBNP遺伝子発現マウスを用いて、種々の病態におけるにproBNP分泌における翻訳後修飾や代謝についての検討すべく、まずはベースラインの表現系(血圧、心重量、肺重量、心エコーでの心機能など)の確認をした。更にこのマウスを用いて、大動脈弓を縛ることによって心室に圧負荷を加え心不全に至らせるマウスモデルであるTACモデルを作製し、その血中BNP、proBNPの比率を我々の開発した特異的proBNP測定システムを用いて評価したところ圧負荷後の経過でproBNPの比率が変化する傾向を見いだした。このモデルにおける糖鎖修飾関連遺伝子について検討したが、遺伝子発現レベルでは非TAC群と有意な差を認めなかった。引き続きこの病態におけるproBNP分泌制御について検討していく予定である。また同様に他のモデルでの評価も進行中である。また心筋特異的ヒトproBNP発現マウス (hproBNPーTg)についての作製も行ったが、血中でのproBNPの発現量が低く、再度発現量の高いものを得るべく作製している。植物フラボノイド由来で糖転移酵素を阻害する活性を有する化合物が報告されており、それを用いて in vivoでの効果を見る予定であるが、それに先だって、培養心筋細胞を用いて、その化合物の添加による心筋細胞からのproBNP分泌割合に対する効果についてまず検討し、効果があることが確認出来たため、in vivoでの効果を検討し始めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前項での記載のように、proBNPからmature BNPの生成時にproBNPが切断される部位に変異をいれ、 mature BNPが産生されずproBNPのみを分泌するような遺伝子改変マウス(心筋特異的ヒトproBNP発現マウス (hproBNPーTg))の作製については、得られたマウスのtransgeneの発現量が低く、再度打ち込みを行っているところであり、他についても順調に経過しており、実験全体として概ね順調に経過していると考える。

今後の研究の推進方策

次年度も引き続き研究計画通りに進めていく予定である。
なお、前述の心筋特異的ヒトproBNP発現マウス (hproBNPーTg)の作製において、解析に十分な遺伝子発現が得られない場合を想定して、他の遺伝子改変マウスの作製も並行して行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 心不全治療とBNP2023

    • 著者名/発表者名
      中川靖章
    • 学会等名
      日本内科学会近畿地方会
    • 招待講演
  • [学会発表] これからの心不全診療におけるBNP測定の意義と最新の話題 -ARNI投与下でのBNPの挙動・解釈も含めて-2023

    • 著者名/発表者名
      錦見俊雄
    • 学会等名
      第72回日本医学検査学会
    • 招待講演
  • [学会発表] セミナータイトル:心不全パンデミック時代における臨床検査の精度管理 ーBNP検査を中心としてー2023

    • 著者名/発表者名
      錦見俊雄
    • 学会等名
      日臨技 首都圏支部・関甲信支部 医学検査学会
    • 招待講演
  • [学会発表] The Genetic and Pharmacological Inhibition of Classic Transient Receptor Potential Channels 3 and 6 (TRPC3/C6) Improve Pulmonary Arterial Hypertension.2023

    • 著者名/発表者名
      Kenji Moriuchi, Yasuaki Nakagawa, Hideyuki Kinoshita, Hideaki Inazumi, Hiromu Yanagisawa, Toshio Nishikimi, Miku Oya, Motohiro Nishida, Yasuo Mori, Ryu Nagata, Kazufumi Nakamura, Koichiro Kuwahara, Kazuwa Nakao, Takeshi Kimura
    • 学会等名
      Basic Cardiovascular Sciences Scientific Sessions 2023
    • 国際学会
  • [備考] 京都大学医学部附属病院循環器内科 心血管内分泌代謝グループ

    • URL

      http://kyoto-u-cardio.jp/kisokenkyu/endocrine/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi