研究課題/領域番号 |
22K08100
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 康弘 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (20565585)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 遺伝的素因 / 分子生物学 / ゲノム医学 / 変異体スクリーニング |
研究実績の概要 |
2023年度は、初年度に確立できた解析プロトコールに沿って、CSRP1,2,3の3遺伝子に対して、細胞増殖能をリードアウトにした網羅的一塩基変異体機能スクリーニングを複数の培養細胞ラインで施行し、最終データを取得できた。その結果、各遺伝子において機能変化の大きい一塩基変異群が検出された。これらの中にはヒトで遺伝性疾患を来たす報告のある一塩基変異やヒトゲノムデータベースに登録のある一塩基変異についても検出されることが確認され、本手法の有効性を示す結果が得られた。また、独立サンプル間での良好なシグナル再現性や解析上の特性についても確認できた。変異体ベクターライブラリー作成、網羅的変異率解析などを含む解析パイプラインは上記複数回の解析において安定的、良好に施行可能であった。今後、取得データ、解析系、プロトコールについての詳細な吟味を行うことで、得られたデータの意義を他のゲノム医学データベースの情報も合わせ検討し、さらに、解析系および手法の改良・洗練化の検討、同定変異の機能異常についての検討、別対象のアッセイ系や対象遺伝子に本手法を適用する実験も行う。上記のよう、コーディング領域の一塩基変異による機能異常についてcDNA全長を対象領域にした生物学的手法による網羅的検討が可能な新たな解析手法の構築が得られ、施行遺伝子について機能異常一塩基変異のデータを得た。遺伝的素因による体質的な疾患向性についての機能的側面からの理解の上で、本手法でのハイスループットな一塩基変異機能検討は有用な手段であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CSRPファミリーの全3遺伝子について本解析を施行してデータを得ることができ、解析手法の有効性が示される結果が得られたため、おおむね順調な進展と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
取得データ、解析系、プロトコールについて詳細な吟味を行うことで、本手法で得られるデータの意義を他のゲノム医学データベースの情報も合わせ検討、また、解析系および手法の改良・洗練化を検討する。体制移行に伴う研究代表者の研究室所属変更あり、2024年度は別対象に本手法を適用する実験も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度とともに実験条件の検討や本解析用の実験が比較的順調に進んだこと、また受託解析の量も予想より絞れたことから、予定使用額から若干の差額を生じた。それらの次年度での使用額については、研究計画で予定されていた実験への使用や、他に、より多くの遺伝子や領域、細胞アッセイに本手法を適用するための解析に対して使用するなど、本研究の進展・成果に帰すると考えられる実験の費用に対し効果的に使用する。
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