研究課題/領域番号 |
22K08347
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
川浪 大治 福岡大学, 医学部, 教授 (50568889)
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研究分担者 |
的場 圭一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20459647)
高士 祐一 福岡大学, 医学部, 講師 (50803524)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 糖尿病関連腎臓病 / 糖尿病性腎症 / 糖尿病性腎臓病 |
研究実績の概要 |
今年度は動物実験を主体に研究を遂行した。マウスを通常食群と高リン食群、そして高リン食+Rho-kinase阻害薬群に分けて解析を行った。Rho-kinaseは低分子量GタンパクRhoのエフェクターであり、糖尿病性腎症をはじめとしたCKDの病態形成に重要な役割を持つ細胞内シグナルである。高リン食負荷を開始してから16週後に腎組織から切片を作製し、糸球体および尿細管、尿細管間質線維化について検討した。糸球体に関しては高リン食負荷群においても構造上の変化は認められなかった。一方で尿細管については萎縮が認められ、リン負荷による腎障害は主に尿細管に生じることが確認された。これは、リン負荷によって尿細管でのリン排泄が亢進していることが関係していると考えられた。Masson染色を行い、主に線維化について高リン食群では、通常食群と比較して尿細管間質の著明な線維化を認めたが、Rho-kinases阻害薬を投与した群においてはこれらの線維化が抑制されていた。体重や腎重量に関しては、群間差を認めなかった。また、血中リン濃度や尿細管におけるリン排泄には有意差を認めなかった。また、血中FGF23や副甲状腺ホルモンの値にも群間差は認めなかったことから、Rho-kinaseはリン代謝そのものには影響を与えないことが明らかになった。以上のことから、リン負荷によって腎線維化が促進されること、その過程にRho-kinaseの活性化が関与していることが示唆された。しかしながら、①リン負荷がRho-kinaseを活性化するメカニズム、②リンによって誘導される尿細管間質線維化のどの段階にRho-kinaseが関わっているのか、についてはさらなる検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験を実施したが、非糖尿病モデルでの検討が中心であり、今後糖尿病モデルでの検討が必要である。また、動物実験で得られた事象に関するメカニズムの解析が終了していないため、次年度の課題としたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は動物実験で得られた事象に関するメカニズム解析を行うとともに、リン負荷が糖代謝に与える影響も含めて、糖尿病モデルでの検討を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験の解析に関して進捗が遅れているため、次年度に実施することになった。
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