研究実績の概要 |
1)細胞株使用実験:ケモカインレセプターCXCR7に関して、4種の細胞株 (KKU-100, TFK-1, EGI-1, TYBDC-1) においてPCR, western blotで発現を確認し、CXCR7のリガンドであるCXCL12 を添加したmigration assay, invasion assayにより、CXCR7が発現していた細胞株 (KKU-100, TFK-1, TYBDC-1) の遊走能、浸潤能の上昇を確認した。また、特にCXCR7の発現が強かった一種の細胞株について、CXCR12の中和抗体を添加したmigrationならびにinvasion assayでは、中和抗体を添加した細胞でmigration, invasion がともに抑制されることが判明した。加えて、中和抗体により、当該細胞株において、Rt-qPCRでE-cadherinの発現低下を認めた。 2)病理組織検体使用実験:肝門部領域胆管癌切除検体においてCXCR7染色を行い、染色強度を三段階に群分けしたところ、免疫染色強度が強くなるにつれ、予後が不良であったことも示された。また、臨床病理学低因子としては、CXCR7免疫染色強度が高度である症例は主病巣の深達度が深く、リンパ節転移頻度が高い傾向にあった。 3)遺伝子解析(計画書に記載外の研究):当科切除標本から摘出された凍結検体約50例にてRNA sequenceを行い、Differential expression gene解析でCXCR7発現によって2群間に分類し、Gene set enrichment analysis解析で腫瘍関連のpathwayを確認したところ、CXCR7強陽性群でepithelial mesenchymal transition pathwayのup-regulationされていたことが判明した。
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