研究課題/領域番号 |
22K08922
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
美甘 章仁 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30372709)
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研究分担者 |
鈴木 亮 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10570319)
藏澄 宏之 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50645116)
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
齊藤 寿郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60648484) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 大伏在静脈グラフト |
研究実績の概要 |
冠動脈バイパス術において、伏在静脈グラフト(saphenous vein graft:SVG)の周囲組織を剥離して移植することが実施されていたが(conventional preparation:CV)、1990年代から、伏在静脈グラフト(saphenous vein graft:SVG)の周囲組織を剥離せずに移植する方法が(no-touch technique :NT)、CVに代わる方法として実施されている。また、NTはCVよりも治療成績が良いことが報告されているが、その機序は完全には解明されていない。本研究では、臨床サンプルを使用して、NTとCVの機能を解析することで、NTがCVよりも治療成績が良いと報告されている機序の一端の解明を試みるものである。 NTとCVのアセルコリンに対する反応をNO測定で観察すると、CVに対してアセチルコリンを添加しても、添加しなくても、培養液中のNOレベルには変化がなかったが、NTにアセチルコリンを添加した場合、培養液中のNOレベルが上昇することが観察された。この結果は、NTの血管周囲脂肪組織(perivascular adipose tissue :PVAT)によるものではないかと考え、NTをCVとPVATにして、CVのみとCV+PVATに対してアセチルコリンの添加の有無で実験したところ、アセチルコリンの添加にかかわらず、CV+PVATの培養液中のNOレベルは、CVのみの培養液中のNOレベルよりも有意に高い値を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CV、NTからのNOを検出する実験方法を確立し、NTのPVATが重要であることを示す実験結果を得ることが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、NTがNOを産生する機序の解明、CVおよびNTの内皮細胞の様子を電子顕微鏡で観察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加を見合わせたために、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、次年度の電子顕微鏡観察の実験に使用する。
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