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2022 年度 実施状況報告書

エストロゲン-NFATを介した特発性下顎頭吸収の発症機構の解明と治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K10272
研究機関広島大学

研究代表者

廣瀬 尚人  広島大学, 病院(歯), 講師 (50611935)

研究分担者 谷本 幸太郎  広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20322240)
矢野下 真  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (20823199)
國松 亮  広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (40580915)
麻川 由起 (丹根由起)  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (50526241)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード軟骨細胞 / 顎関節症 / 変形性顎関節症 / 機械的負荷 / エストロゲン / NFATC
研究実績の概要

軟骨細胞ATDC5を文化誘導させ、エストロゲンレセプター(ERαとERβ)の発現パターンを確認した。ERαは分化誘導7日でやや増加するがその後減少した。一方ERβは分化14日を最大として発現亢進したが、ERαより平均的に発現量が多かった。また分化誘導17日目と21日目において蛍光免疫染色にて軟骨細胞の細胞膜および細胞質内にて同タンパク発現を確認した。
次にATDC5を培養細胞伸展機(Flexer Strain Unit)を用いて、細胞に機械的刺激を付与した。これまでの研究結果と同様に、刺激付与後24h前後で有意に炎症性サイトカインの発現が更新した。現在はエストロゲンの添加濃度の検討およびエストロゲンレセプターブロッカーの選定に入っている。機械的刺激を付与した軟骨細胞に対し、エストロゲン投与が炎症の発現の観点では相乗的に機能すると予想される。
炎症の発現に関してエストロゲンの関与が明らかになった時点で、炎症発現の詳細なメカニクス(シグナリング経路)の検討に入る。これまで明らかとなっているp-38, ERK, JNK経路の他、NFATC1~5に関連した経路を探索する。現在NFATCとエストロゲン経路にクロストークがあるか予備検討に入っている。ATDC5に各種濃度を振ったエストロゲンを添加し、NFATCの脱リン酸化が生じるかウェスタンブロッティング法にて確認する。また脱リン酸化が確認された後は上記ブロッカーの脱リン酸化阻害が生じるかについて検討する。
上記in vitro実験系と同時に別の研究分担者によりin vivo用モデルラットの作製はすでに終了しており、安定供給が可能な状態になっている。よってin vitroでの結果および濃度判定をすぐにvivoへフィードバックさせることが可能な状態である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

まずATDC5を適切に分化コントロールを行い、機械的刺激が最も影響を与える分化段階で検討を行いたいところであった。特にエストロゲンレセプター発現が最も高い地点での検討が望まれる。当初よりPCRにて発現の推移を追っていたが明確な結果が出ないため、検討の時期を定められずにいた。またそもそもATDC5の分化誘導にかなりの日数を要するため、実験の進行が遅れるという問題がある。他の細胞も検討している。エストロゲン添加実験を行っているが、機械的刺激によって生じた炎症反応とエストロゲンの影響が重なって表現される。そのため両者の条件設定がやや難しい状況となっている。

今後の研究の推進方策

現在軟骨細胞ATDC5を用い実験を行っているが、実験系が長すぎることからその他の軟骨細胞を用いることも検討したい。現在当科にはATDC5含め3種類の軟骨細胞を有していることから、そちらの検討も開始する。また機械的負荷のFlexer Strain systemの結果がやや安定しないことはこれまでの研究経過より避けられないところもあるが、慎重な研究遂行と実験回数により実験結果の整合性を担保したいと考える。すでに開始しているが、機械的負荷+エストロゲン+抗エストロゲンレセプター(ブロッカー)の実験を可及的速やかに行う。in vitroの研究が中心となっているが、in vivo実験系はすでに別の研究分担者がモデルラットの安定的作成を可能としているため、in vtroの結果をすぐにvivoへフィードバックさせることが可能である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は当初予定していた小動物用麻酔機器の購入が見送られた事により次年度の使用額が生じることとなった。また現在大型機器の共同購入も検討されているため、次年度に助成金を使うこととなる。

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公開日: 2023-12-25  

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